「送り火」も済んで、お盆も明けました。
尊敬する造形作家のAさんが亡くなって、もうすぐ2年半になります。
いつも飄々と吹く風の如く、
世の中を斜めから見る鋭いとウイットとユーモアの効いた思考は、
素晴らしい世界観を持っていました。
それでも、奥さんの言われることには、
「カッコつけるのがだ~い好き」となるのですが…。
Aさんの家の庭と玄関前の鉢植えには、
譲り受けたという『紅葉葵』(もみじあおい:紅蜀葵)が今を盛りと、
台風が残していった風に揺れていました。
『紅葉葵(紅蜀葵)』
北アメリカ生まれにしては、花も葉も茎もすべてが細身。
花びらは女性の体のラインを連想させて妖艶ですが、儚い一日花。
お悔みにお伺いした時にAさんの遺品の中からから頂いたのが、
滝田ゆうの『泥鰌庵閑話』(どじょうあんつれづればなし)[上]です。
「[下]も、あったのですが見つかりません。
探しておきます。見つかったらお渡ししますね」
あれから2年半が経ちました。
『泥鰌庵閑話』(上)
ー滝田 ゆう漫画館 第3巻ー
メガネを掛けているのが滝田ゆう
東京の下町の生まれた滝田ゆうさんの軽妙洒脱な生き方と
ナンセンスで不条理な世の中との対比の妙。
「閑話」に欠かせないのがお酒…、
「どうです、もう一軒行きませんか」
面白過ぎるのに、ほろっとさせられる…、[下]が読みた~い
自分で買いますかっ 。