『打越橋』(うちこしばし)が架けられたのは、1923年(昭和3年)。
関東大震災後に市電を通すための復興事業一つとして、
打越地区と山手方面に通じていた丘を切通しにしたために架けられた橋です。
朱塗りの美しいアーチ橋は、今年”100歳”になりました。
『2012年10月の打越橋』
『打越橋』(2023年8月)
10年で橋の下の向こう見えていた緑は姿を消し、ビルが林立する街になりました。
橋の長さは38.4m 道幅は8.1m 地上からの高さは13m。
美しいアーチ橋は、両端の2つのヒンジとその上に乗るトラス構造※で構成。
中央が最も太くなった、高いアーチラインがより美しさを際立たせています。
※三角形を組み合わせた構造
『真下から見上た打越橋の橋梁と橋台』
「打越橋」の最大の特徴は、
切通しの対して70度の「斜橋」であることです。
このため左右のアーチが”変断面”となり、
見る位置によって2つのアーチラインが微妙にずれて重なり合っているため、
下から見上げた風景は独特の雰囲気を醸し出しています。
橋台は鉄筋コンクリート造りの石貼りで、
周囲の、これも美しい石積みの擁壁と調和した景観を演出しています。
『打越橋の親柱』
『橋上から北側を見た風景』
ランドマークタワーや新しい横浜市役所など、
みなとみらい地区のビル群を望むことができます。
素晴らしい土木技術によって支えられてきた、打越橋の100年。
これから先もその歴史を刻んでいきます…。