鎌倉の路地を歩いていると、

色々な『竹垣』に出会うことができます。

鎌倉で見られる竹垣を紹介しつつ、

日本人の感性に育てられたとも言える竹垣の持つ美しさ、

優しさを感じてもらえたら嬉しいです。

 

竹垣には大別して、「遮蔽垣」「透かし垣」とがあります。

遮蔽垣として竹垣の代表であるとともに、

鎌倉でも一番多く見られるのが、

竹垣の基本を最も多く持っている『建仁寺垣』です。

京都の建仁寺が発祥とされています。

 

比較的新しい建仁寺垣(御成町)

 

造形的には、縦使いの「立子」(たてこ)※1と、横に渡した「押縁」(おしぶち)、

最上部にかぶせる「玉縁」(たまぶち)とのバランスの美しさがポイント。

竹垣作りに主に使われる縄は、黒く染められた「染縄」(そめなわ)

 

上部の押縁が欠落していますが、龍がうねるように伸びている長大な建仁寺垣

(北鎌倉・台)

 

基本に忠実に作られている建仁寺垣は、美しい姿を見せています。(扇ヶ谷)

 

段違い続く明王院脇の建仁寺垣(十二所)

 

上の写真の反対側から見た建仁寺垣(十二所)

明王院は”竹垣の見本市”のように、数種類の竹垣を見ることができます。

 

浄智寺から源氏山に向かう右手にある家の建仁寺垣。(山ノ内)

痛みが激しいですが、樹木と共存しています。

 

建仁寺垣にぽっかりと開いた郵便受け。

どのような人が住んでいられるのか、気になります。

 

塗りさし壁の門から続く、竹穂垣と建仁寺垣(小町)

上部の玉縁が板になっていますが、

玉縁をかぶせずに上部を一直線に揃えた建仁寺垣もあります。

賑わう小町通りから10mほど入った路地にも、

このような塗りさし壁や竹垣を見ることができます。

 

 

建仁寺垣は単純そうに見えて、それ故に美しく仕上げるのが難しいそうです。