今にも雨が降り出しそうな空模様でしたが、

以前から見たいと思っていた古民具を見に、

戸塚区と港南区にまたがる「舞岡公園」に行ってきました。

市営地下鉄の「舞岡」駅で降りて舞岡八幡宮をやり過ごし、

20分ほど歩いて右に折れれば舞岡公園です。

広大な舞岡公園は、

里山と田園風景がが共存する自然豊かな公園です。

 

『旧金子家住宅(母屋)』(明治初期)

 

目的地は公園内にある「小谷戸の里」の広場にある

市の歴史的建造物の明治初期の古民家が移築、保存されています。

この古民家の納屋の前に『筵(むしろ)編み機』が展示されています。

屋外展示なので雨、風に晒されてかなり痛みが進んでいましたが、

初めて見る筵編み機には興味津々でした。

 

『筵編み機』

 

【筵編み機の”取り扱い説明書”】

これは「筵(むしろ)」を織るための道具です。

上下にはってあるのがたて糸です。

たて糸は一本おきに前後互い違いになり、

その間に左右両側から横向きにわらを差し入れます。

たて糸の間にはさみこんである切込みの入った棒を回すことにより、

前後のたて糸が入れかわりますので、

そこへ次のわらを入れることを繰返すと「むしろ」ができます。

 

木とわらとわら縄で構成されていましたが、

実際にどのような使い方をするのかは

納屋の壁に貼られていた「取説」を読んでもよくわかりませんでした。

原理は「機織り機」と同じようなものだとは思うのですが・・・。

この筵編み機は、昭和30年代頃まで使われていたようです。

この道具の使い方がわからなかったのは、

残念で情けなく思いました。

 

納屋の中にはわら縄を編む足踏み式の道具など、

いくつかの農作業用の道具が展示されていました。

創意工夫で農作業を作ってきた先人たちの知恵と、

物を大切に使う心に思いを馳せながら筵編み機を後にする頃には、

薄日が差し始めて蒸し暑くなってきました。