江原啓之さん 「オレオレ詐欺がなくならない理由」 | たましいの響き

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それにしても、不思議です。先日職場で話していたけど、詐欺電話の話題から、

どうも全国の認知症高齢者のリストが外に流出しているのではないか?という疑問が、

医療関係者から出ています。 

とくに最近は、ここぞとばかりに年金に関連にした詐欺電話が増えていると聞きました。

あなたのご両親は大丈夫ですか?


婦人公論からです


江原啓之が解き明かす 家族の正しい関係

「オレオレ詐欺がなくならない理由」


<詐欺師は心の隙を巧妙についてくる>


今回は、横行する詐欺事件を題材にお話しましょう。

これは私の知人の話ですが、久しぶりに実家を訪ねたところ、

一人暮らしをしているお母さんが

「この家も古くなってシロアリにやられてしまったね」と話し始めたとのこと。


最初は黙って耳を傾けていた知人ですが、

「でも大丈夫。シロアリ駆除の人に頼んだから。とっても親切な人なのよ」

とお母さんが言うのを聞いて、おかしいと感じたのだとか。


すぐさま「まさか、お金を振り込んでないよね?」と尋ねたところ、

「まだだけど、30万円払うという契約を交わした」と言うので、

知人は「それは詐欺よ。どうして気づかなかったの?」と、

思わずお母さんを責めてしまったというのです。


結局、弁護士に入ってもらい、詐欺の件はことなきをえました。

けれど問題は、これから先も同じことが起きかねないという点でした。

実はこのとき、お母さんが初期の認知症であることも判明。

知人は80代になる母親を一人にしておいた自分が悪かったと猛省し、

現在は一緒に暮らしています。


超高齢社会に突入した日本では、

認知症の高齢者を狙った詐欺犯罪がますます増えていくでしょう。

まったくもって許しがたい犯罪ですが、ここで私が伝えたいのは、

詐欺被害から家族を守ることができるのは、家族の絆だということ。


認知症であること以前に、

悪徳商売は人の寂しさや不安につけこむケースが少なくありません。


高齢者の中には、詐欺行為に遭ったのだとわかっても、

叱られるからと子どもに打ち明けることさえできずにいる人もいると聞きます。

詐欺師はそうした心の隙を巧妙についてくるのでしょう。


一緒に暮らすことはできなくても、頻繁に連絡を取る、顔を出すなど、

話す機会を増やすことで、事前に異変をキャッチできるのではないでしょうか。


スピリチュアリズムの視点で見ても、家族の愛はバリアとなり、

悪い念を撥ね除けることに繋がります。

親とのコミュニケーションも自分たちの生活の一部だということを忘れないでください。


<被害を拡大させる親子関係の歪み>


その一方で、親は子どもに対して突き放す勇気が必要なのではないかと私は思うのです。


頻発する「振り込め詐欺」「オレオレ詐欺」、

昨今では「母さん助けて詐欺」と呼ぶようですが、

いずれにしても親が子どもを思う気持ちを利用した詐欺事件が後を絶ちません。


警察庁のまとめによれば、

2013年の被害額は、12年の被害額を34.3%上回る約489億円だとのこと。

これほどまでに警告を促す情報が流布しているにもかかわらず、

被害者が増加し続けるのはなぜしょう?


「自分に限ってはだまされない」と、他人事のように考えているからかもしれません。


たとえば「お金を貸して」と息子から連絡があったら、

あなたは「息子の一大事だ!」と気が動転しますか?

本当に息子であるかどうか確認することも忘れて、

言われたままにお金を振り込んでしまいますか?


もしそうなら、問題の根底には親子関係に歪みがあると私は思うのです。


かつでの相談者の中にも、息子と名乗る男から

「会社のお金を使い込んでしまった。補填しなければクビになるので、

すぐに300万円振り込んでほしい」と懇願され、振り込んでしまったという人がいました。


相談者はしきりに「犯人が憎い」と訴えていましたが、

私は、「犯人のせいにしていても問題は解決しませんよ」とお伝えしました。

というのも、相談者の本当の悩みはだまし取られたお金のことではなく、

「なぜ俺に相談しなかったんだ」と夫になじられ、

「なぜ自分を信じてくれなかったのか」と息子に愛想を尽かされてつらいというものだったからなのです。


もちろん悪いのは詐欺師です。

けれど私なら、

「お金を借りることは、電話やメールで伝えるべきことではないだろう。会いに来なさい」と言います。

その時点で詐欺師を一蹴することになるはずです。


また、本当に使い込みをしていたなら、「自分で責任を取りなさい」と論します。

横領は犯罪です。

それを庇ったところで子どものためになるでしょうか?


甘やかしは歪んだ愛の表れ。

私の見立てによれば、件の相談者の中にうず巻いていたのは、

「子育てに失敗したと思われたくない」という自分の見栄やプライドでした。


このように「振り込め詐欺」は、コミュニケーションの欠落、

大我の愛の欠落を逆手に取って成立してしまうことが多いと言えるのです。


詐欺といえば、最近も「10万円出せば『徹子の部屋』に出演させてあげます」

というLINE詐欺が問題になりました。

マンガみたいな話ですが、呆れてばかりもいられません。


詐欺師は人の欲望や心の闇を巧みに利用してお金を巻き上げる天才なのですから。

逆にいえば、常に自分を律していれば犯罪に巻き込まれることはないのです。


クマ格言

[家族のコミュニケーションがあれば、詐欺は撥ね除けられる]


以上、婦人公論から、江原啓之さんのお話でした。