貯蔵庫の外観はコンクリート造の無機質なもの。ほぼ同じ形状の建物が、白州の森に何棟か点在するようだ。その数がいくつあるのか聞きたかったが機会に恵まれない。 

 

当然ここも厳重に施錠されているが、中に入った途端にウイスキーの香りが漂ってくる。この白州の蒸溜所では樽にもこだわっていて、この白州の森に製樽工場があり職人による手作業でつくられているという。(写真/入口には樽の側板や職人が使う道具が展示されている) 

 

ウイスキーづくりの次の工程は貯蔵。熟成とも言い換えられる。ニューポットを樽に詰め、ラック式の貯蔵庫で悠久の時を重ねる(写真)。色合いは寝かせる時間が長いほど濃い琥珀色に変わっていく。樽の中のウイスキーは蒸散していくため少しずつ量は減っていくが、その分、香味や成分が濃縮されていくのだという。この現象は、天使たちがウイスキーを少しずつ味見するという言い伝えから「天使の分け前(Angel's share)」と呼ばれている。 



ツアーを終えてセントラルハウスへやって来る(写真)。いよいよお待ちかねのテイスティングタイムだ。先ほど行列ができていたテイスティングラウンジにツアー客が入場できるスペースが確保されているのだろうか。 

 

今回のツアー客はリピータが多いと紹介したが、それも3回以上の人が大勢いるようだ。その人たちがまた訪れるのは、おそらくこれから行われるテイスティングを楽しみにしているからに他ならない。(写真/セントラルハウスの壁時計。ちょうど50分でツアーが終了した計算だ) 

 

テイスティングラウンジの出入口の隣には地下に通じるスロープがあり、その先に扉がある。その上には「Bar Hakushu」とある。こちらが有料ツアー客用の会場なのだという。

 

店内は落ち着いた空間が広がっている。まるで都会のホテルのバーのような佇まいだ(写真)。座る場所は決められていて、単身の参加者は別のひとりと同じテーブルになる。名前を告げると、スーツをまとった若い男性が案内してくれる。
 


人気になったJapaneseウイスキー Vol.6に続く