急いで動画カメラをセットするが、最初の班は別の仮置き場に向かったらしく、それから15分ほどしてようやくダンプカー群がやって来る(写真)。右折して仮捨て場に入って行くが、この映像を大町ダムの天端から撮影しようと最初から狙ってきた。 

 

なんと天端からは、荷台を傾けて土砂を下ろす様子がみてとれる。しかし、その前に送電鉄塔が立ちふさがり邪魔だ。動画でも撮影しようかとも迷うが、隠し撮りみたいな映像になりそうなのでスチールのみに留めておく。 

 

次は、仮置き場の入口で撮影をするつもりだが、おそらく再びダンプカーがやって来るのはしばらく後になる。近くにある高瀬渓谷緑地公園に設置されている、大町ダム湖・龍神湖の名前の由来になった伝説「泉小太郎」に基づいたモニュメントをみる(写真)。この伝説は、テレビアニメ「まんが日本昔ばなし」のオープニングの映像で使われていたから、昭和生まれの人ならおわかりいただけるだろう。 

 

オウム真理教の幹部に殺害された坂本弁護士一家。3人は新潟、富山、長野に別々に遺棄されたが、長男の龍彦ちゃん(当時1歳)は大町ダムから少し離れた山の中に埋められた。その慰霊碑がこの公園にあって、今も多くの人々が追悼に訪れる(写真)。龍とついたお名前だったことから、龍神湖の傍に建立されたのだろうか。胸が締めつけられるような許しがたい事件だった。今、龍彦ちゃんが生きていれば、当時の坂本弁護士と同じ歳になっている。 

 

そういえば、土砂の仮置き場入口付近からは、尾入沢大橋がみえたことを思い出した。ダンプカーはここを通って下ってくるはずだ。三脚を立ててセットするが、目の前には釣り堀があって結構な人で賑わっている。カメラはそちらを向いているので、もし気がつかれたら盗撮をしているのではないかと勘違いされそうで、「早く来てくれ」と心の中で叫ぶ。 

 

 

尾入沢大橋をダンプカー群が通過したので、今度は正面からやって来るのを待ち受ける。大きなエンジン音がするのでカメラを回すと、ダンプカーでなくボンネット型のバスがやって来る。それは大町エネルギー博物館が走らせている観光用のバスだった。 

 


ダンプカーが土砂の仮置き場に到着する様子を収録しクランクアップする。細やかな宴を兼ね、今週も「Hungry Box YUKI」で昼食にしようと大町名店街までやって来る(写真)。ところが店は満席。待ってもいいのかもわからず断念する。こうなったら家に帰って本格的な打上げに興じよう。 

 


高瀬ダムの土砂を運ぶダンプカー群 END