首元を冷やすネックスカーフを用水路の水に浸す。今は、ファンが内蔵されているネッククーラーも販売されているようだが、真夏のポタリングはこれだけでかなり救われる。 

 

木立がある大町市の社公園に到着する(写真)。いつも小休止する場所だ。ここからは大町市街地にあるゴールの俵屋はもう間近だが、混んでいる時間を避けるため、本を読んで時間調整することもある。 

 

ところが木陰に逃げ込んでも暑くて本を開く気にならない。ここまで挫折しなかったのは、俵屋でビールを飲むためだけといっても過言ではないので、もう並んでもいいから早く俵屋へ行こうと決める。(写真/誰もいない白い砂のグラウンドに桜の枝と照明が影を落とす) 

 

幸い、俵屋は昼時分にも関わらず並ばずに入店できる。カウンターに案内され早速、「とりあえず瓶ビール」と頼む。この瞬間のため、真夏の安曇野を走ろうと、朝起きた際に決意したのだった。 

 

読み進めているのは「江戸のお勘定」(大石学監修)。江戸時代は書物は借りる時代で、種類にもよるが、現代に換算して700円程度だったとされる。時代劇でよくみる瓦版はおおよそ120円。読み上げながら売ったことから「読売」と呼ばれていたことなど、雑談に必要な話題が豊富に掲載されている。

 

お陰様で暑くても食欲は落ちない。夏でも平気でラーメンは食べられる。暑いときに熱いものを飲んで汗をかくのが身体にいいとされ、江戸時代には甘酒は夏でも温めて飲んだという。(写真/Aランチのラーメンを味噌に替える) 

 


信濃大町駅には、黒部ダムが竣工して60周年を祝うフラッグが飾られている(写真)。そういえば、2024年から始まる「黒部宇奈月キャニオンルート」はその詳細が発表されたのだろうか。気になって調べてみるがまだのようだ。人間が大自然を相手に挑んだあの工事用のルートを、ぜひまた訪れてみたいものだ。
 


2023真夏の安曇野トレーニングポタ END