野島埼灯台には「きらりん館」という名の灯台資料展示室が併設されている。そこには明治2年(1869)仮点灯時を含めた三代の野島埼灯台が紹介されている。 


【動画】 
霧笛はその名の通り、深い霧に覆われているときに汽笛を鳴らして船舶の航行に注意を促す装置。GPSが発達しほぼすべての灯台で廃止されているため、実際にどんな音がするのか、ずっと気になっていた。(28s) 


こうした展示室で聴くと、なんとなく安っぽい感じがするが、かつてこの音を船上で聴いたことがある船乗りたちや漁業関係者の方は郷愁の念に駆られることだろう。 



悲しい知らせが入ってきた。親しくさせていただいている近所の方が突然亡くなられたのだ。ご葬儀は明日の午後だという。予定していたJR只見線の旅を中断し、予約していた宿にキャンセルを申し出る。明朝自宅へ戻ることにする。(写真/海にも猛禽類がいるんだと、すっとんきょうなことを考える)  



灯台が回転するまであと2時間ほどだろうか。とりあえず、観光客向けの食堂に入る。クーポンが使えるというので、つい強気になってさざえの刺身を注文する。店内の水槽から出して、そのまま調理してくれる。まさにコリコリしているが、これが新鮮だということなのだろう。

 


観光客が多くて、なんとなく灯台の灯を写そうという気になれない。朝飲んだワインも要因かもしれない。予定を早めて2時間早いバスに乗り、千葉駅近くのホテルに戻ることにする。(写真/東京湾に入湾する大型貨物船が洋上を横切って行く) 

 

行きのバスは、地元らしい人たちが結構乗っていたが、夕方のこの時間に館山駅に向かおうとする乗客は少ない(写真)。それでも市街地に近づくと、これから遊びに出掛けると思われる若い女性が何人か乗ってくる。おそらくまちでは華やかなのだろうが、こうしてのどかな場所からバスに乗り込んでくる姿は少なからず生活感を引きずっている。 

 


館山駅に着くと内房線の列車までは1時間近くもあり、駅員に訊ねると、勝浦駅から特急わかしおに乗り継げば、外房線の方が早く着くという。まさか房総半島を一周することになるとは思ってもいなかったが、この先は暗くなってしまうので、太平洋を見渡す景色を目にすることはできなそうだ。(写真/館山駅には両国駅と房総半島を結ぶ、自転車をそのまま載せられるジョイフルトレインB.B.BASEが停車している) 
 


続編に続く