下部ホテルは日帰りで一度しか訪れていないが、たくさんの種類の風呂があって満喫した。次は宿泊したいと思っていたが、ひとり客は受け入れていなかった。しかも、大型ホテルなのにいつも満員で人気のある宿なのだと知った。ところが同じく下部温泉が好きなブロ友さんが、最近は単独でも受け入れていると教えてくれた。 

 

それは宿の公式サイトにしか公開されないようで、一人旅プランで調べると、平日のごく限られた期間だけ。なぜか12月はこの週だけ受け入れている。年末直前なら仕事も一段落しているはずで、キャンセルを覚悟で予約ボタンを押した。(写真/下部ホテルは身延線沿線に面していて、駅から徒歩1分と立地にも恵まれている) 

 

しかし、昭和4年(1929)開業の一世代前の温泉ホテルの様相をみせる下部ホテルがなぜそんなにも人気なのだろう。下部温泉はかつて身延山久遠寺の参拝客を多く受け入れていた時代もあったようだが、今は、参詣を目当てに訪れる客は少ないと思われる。その魅力を探るべく、長年憧れてきた下部温泉に投宿する。 

 

日帰り入浴は以前は1,000円だったが200円値上がりしている。時間は宿泊客を優先させていて、連泊でもしない限り、日帰り入浴と一緒になることはない。 

 

宿泊者向けのアクティビティとして自転車を貸し出していて、本栖湖までの約20㎞のコースを推奨している。行きは上りがきついため、ワゴン車で自転車ごと運ぶサービスもしているという。さらにランドリーサービスもあって、汗をかいた服を洗濯してし翌日に渡してくれるという。なるほどサービスがきめ細かい。 

 

時間は午後3時少し前だったが、部屋が整っているからとチェックインさせてもらえる。浴衣に着替え、さっそく浴室に向かう。1泊しかできないが、時間はフルに使わせてもらうつもりだ。(写真/「ゆとりの休日」と描かれたタオルが妙に嬉しい) 

 


低温の温い湯の下部温泉は長い時間入っていられる。おそらくまだ客も少ないはずだ。仕事も予定通り済んで、心から開放感に包まれる。この二日間、じっくりと下部の湯と対峙しよう。 
 


THE 下部ホテル Stay Vol.4に続く