レンズを最大限伸ばして南東側をみると海上に、三脚のような上に灯台が立っている。灯浮標かと思っていたが、帰宅後に調べると、それは御前岩灯台という立派な灯台で平成25年(2013)以前は御前岩灯標という名称だった。
御前岩灯台は毎8秒に2閃光する群閃白光。光達距離は7海里(約13㎞)。高さは約11㍍。水面から塔灯まで約18㍍。初点灯は昭和33年(1958)と思われる。管理は清水海上保安部。

 

しばらく時間を潰し、夕暮れの時間まで待つ。その間、太平洋をみつめるが、この沖合には船舶がひっきりなしに航行する。まさに洋上の東海道といったところだろうか。

 

 

御前埼灯台では、日本初の回転式一等フレネルレンズが採用された。それはフランス製の美しい八面構成のものだったようだが戦禍に消えている。今のレンズは56万力ンデラで、遥か遠方の洋上までを照らす。(写真/回転を始めたフレネルレンズ)

 

 

【動画】

御前埼灯台が回転を始めたのを確認してカメラを回す。やはりフレネルレンズは、一見、柔らかに見えるのに、徐々に暗くなってくると、しっかりと闇を照らし、確かな仕事をしていることがわかる。(2m21s)

御前埼灯台は海側に市営の駐車場があり、その付近からフレネルレンズが回転する様子がよくみえる。やがて暗くなってくると、レンズが放つ光が灯室のガラスに映り幻想的な雰囲気を醸し出す。
 

 

暮れ行く中、波の音をBGMにフレネルレンズの灯をみつめる。今夜はこのまま車中泊するのでウイスキーも飲めて、最高に贅沢な夕べを過ごしている。御前埼灯台は、私にとって、理想的なロケーションが整っている。


【灯台カード】(ダウンロード版)

 

 

【灯台カード】 ※受付で燈光会の方から戴く。

 



御前埼灯台の地図は>>>
 


御前埼灯台 END