2019年9月7日(sat)

 

納沙布岬灯台

納沙布岬は北方四島の一つ歯舞群島が目の前に迫り、ロシアとの国境を強く意識する場所に位置する。オホーツク海と太平洋の境目にもなっている岬だが、その先端に、「日本の灯台50選」にも選ばれている納沙布岬灯台が立っている。 

 

納沙布岬灯台

納沙布岬は(現在は)日本領土の最東端に位置し、朝日が最も早く昇る場所として知られる。納沙布岬の日の出は、夏至の頃で午前3時38分。沖縄とはちょうど2時間差になる。(写真/灯台は観光施設が集まる場所から4~5分ほど歩いて行く) 

 

納沙布岬灯台

納沙布岬灯台は現存する北海道最古の灯台。明治7年(1874)に建造されている。当時の灯台は、「灯台の父」と呼ばれるリチャード・ヘンリー・ブラントンの設計による八角形の木造で、北海道初の洋式灯台であった。

 

納沙布岬灯台

納沙布岬と水晶島の間にある珸瑶瑁(ごようまい)水道は浅瀬で暗礁が多く、航海の難所であったことから、早くから灯台の建設が求められていたようだ。(写真/入口には「北海道灯台発祥の地」とある) 

 

納沙布岬灯台

以前の灯台は光源に石油を使用していたが、現在のコンクリート造に改築されたのは昭和5年(1930)。雪や霧が多い場所だが、高さが低いためか目立つ赤白の帯はなく、白搭となっている。 

 

古い看板には、北海道開拓使判官が明治3年(1870)難破船の帆柱を利用して灯竿(標木)を建てたのが、そもそもの納沙布岬灯台の始まりとある。

 

灯台の位置から振り返ってみると、そこには観光施設や土産屋、食堂といった建物や、北方領土返還にまつわる碑など様々なものが乱立している。奥にみえる望郷の塔オーロラタワーは高さ96㍍。かつて住んでいた人が北方四島を望むために建てられたものだが、時間があれば、ここに登って納沙布岬灯台を写真に収めたかった。
 


納沙布岬灯台 Vol.2に続く