神威岬の先端部から、今歩いてきた道を振り返る。雲が低く立ち込めているので、まるでアルプスの尾根にいるような錯覚を覚える。こんな天気でもこうして岬の先端をめざす人は少なくない。

 

神威岬灯台も明治時代に造られた灯台で北海道では5番目に建てられている。現在の灯台は3代目のようだが、この灯台をじっくり観察しようと、神威岬での滞在を3時間とることにしたのだ。灯台の紹介はまた後日にしたい。 
 
 

岬の先端からは神威岩が見下ろせる。この岩も先ほどと同じようにローソクのかたちをしているようにみえる。天気が良ければ絶景が・・・という思いが再び頭の中を過るが、それは考えないようにしよう。 

 

訪れているのは半分くらいがアジア圏からの外国人だ。岬の道は細いので、私が待っていてあげてもお礼の一つも言わず大声ですれ違って行く。インバウンドが日本にとって大切なことはわかるが、こうしたマナーの悪さは愉快なものではない。まあもっとも、シニア層を中心に新しい旅のスタイルを提案している某旅行会社の日本人ガイドも同様だったから、それは人によるのかもしれない。(写真/孤高に海風に立つうみねこを写す)

 

駐車場の方の丘の上に、円柱のコンクリートの構造物がある。これは昭和15年(1940)ロシア軍が北海道に上陸するという情報をいち早く傍受するため造られた電波探知塔の名残りだという。明治時代にも神威岬沖にロシア軍が出没し、住民の安全確保のため一時灯台を消灯することがあったという。
 
 

おおよそ1時間半ほどを掛け、神威岬から駐車場に戻ってくる(写真)。さて次のバスまでの時間、レストハウスでビールでも飲んで気長に待とうか。どうしようか迷う。 

 

実は、ここに来るときに一つ手前の停留所に食堂があったのをバスから確認していた。そちらの方が、神威岬で独占営業している店より安いのではないか。そう思い始めて、一区間歩くことにする。幸いなことに雨も小降りになっている。(写真/次の停留所まで3㎞はないとみた) 
 


積丹ブルー!?の神威岬へ(働き方改革で北海道へ Vol.20)に続く