【動画】

以前も、こうして点滅が始まるのを待つ時間を大王埼灯台で過ごしたが、あの時はポタリングの途中で酒も飲めなかった。それにランタンの灯もなかった。(1m12s)

その他にも点灯するのを待った灯台があったが、どれも比較的明るい内から始まった。ところが入道埼灯台の灯はなかなか点滅を始めない。もうかなり暗くなって故障じゃないかと思った瞬間、ゆっくりと回転を始める。

 

 

入道埼灯台

入道埼灯台の初点灯は明治31年(1898)。実に121年もこうして灯をともしている。折しも平成最後の夜。狙っていた訳ではないが、図らずも5つの時代を照らし続ける瞬間に立ち会うことになる。
 

 

入道埼灯台

夜中に目が覚めた。それはとても幻想的な光景だった。淡い霧が巻き、回転する灯がステージライトのように360度の世界を照らし出す妖艶さに心震えた。映像に収めようとしてもコンパクトカメラでは限界がある。いや再現できたとしても、今この瞬間に、この場所にいないと、決して伝わらないことだろう。(写真/就寝前に撮影するが、周囲にはもう誰もいない)

 

 

2019年5月1日(wed)

 

入道埼灯台

4時過ぎに起きて、明るくなる前の時間、もう一度、点滅する入道埼灯台を写真に収めようと外に出る。霧雨模様なので傘を差しながら撮影するが、相変わらず風が強くて戸惑う。

 

 

入道埼灯台 ふれ
LED化されていく灯台にあって、こうした明治時代から灯る灯台には、やはりフレネルレンズがよく似合う。柔らかで優しい、そして切ない光。そんなありきたりな表現では追いつかない深みがある。点滅終了も早く、まだ薄暗い4時50分、平成と令和を結んだこの日の仕事を終える。入道埼灯台の詳細は後日改めたい。
 

 

入道埼灯台を後にして、次は秋田内陸縦貫鉄道米内沢駅をめざす。今日は、お気に入りのこの鉄道に乗車するつもりだ。国道285号を進むと、山の上に五城目城がみえる。観光用の模造天守だが、わざわざここまで来たのには訳がある。


 


それは、眼下に広がる五城目小学校の校庭を囲む桜が満開だったからだ。上からみると校庭は長方形でなく円形型で桜の弧を描く優雅さだ。道草したお陰で、心に残る学校の桜に巡り合える。
 


秋田車中泊旅 Vol.7に続く