2018年5月3日(thu)・4日(fri)

 

ノシャップ岬の先端に立つ稚内灯台。すぐ裏に位置するホテルに泊まり、部屋の窓から点滅する様子を眺める。本当は、海側から見学する予定だったが、この日、嵐のような天候で、ホテルの部屋から写すことができだけでも幸運だった。 

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稚内灯台の高さは42.7㍍。日本で最もノッポの日御碕灯台(島根県出雲市)が43.65㍍なので、95cmの違いで第2位に甘んじている。しかし、長身でスマートなフォルムは美しく、「日本の灯台50選」に選ばれている。(写真/南西に位置する恵山泊漁港公園から撮影) 

 

稚内灯台に霧信号があったのかどうか正確な資料はないが、第一管区海上保安本部灯台部工務課が作成しているペーパークラフトに霧信号動力室という文字を見つける。灯台の付属舎の中にあった。塔灯のすぐ下に円形の穴が開いているが、もしかするとこれが霧笛を発するスピーカーだったのではないかと勘ぐる。 

 

灯塔は6本の赤い帯に塗られており、雪の中でも目立つカラーリングになっている。真下から見上げると、それはまるで清掃工場の煙突のようにも見える。 

 

稚内灯台は、毎20秒間に2閃光する群閃白光。光達距離は18海里 (約33km)。高さは42.7㍍。水面から塔火まで42.1㍍。初点灯は明治33年(1900)。管理は稚内海上保安部。(写真/出入口の扉の上には銘板が掲げられている) 

 

初点灯した初代の灯台は、今より背後の陸上自衛隊稚内分屯地内にあったが、米軍ノシャップ基地の拡張で、昭和41年(1966)現在の地に2代目灯台として建設され移転している。そんな理由から、灯台の名前がノシャップ岬灯台ではなくて、稚内灯台なのも頷ける。(写真/南から北を望む) 

 


改めて考えれば、稚内灯台はロシアと面する国境の灯台であり、宗谷海峡を航行する船舶を守る重要な灯台だ。塔灯まで153段もの階段を登らなくてはならないが、それ以上に、高さがどうしても必要とされたのだろうと想像する。 
 

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