東京電力大町線No.34送電鉄塔と常盤支線が接続し、ここで電気が分岐する。常盤支線は、常盤送電線と同じく昭和電工大町事業所に電気を送っているようだ。表示板には昭和13年(1938)建造とあるのが、この時期、昭和電工が急激に電気を必要としていたということになる。(写真/中央のNo.34鉄塔を挟んで、左が常盤支線No.1=高さ15㍍、右がNo.2鉄塔=高さ11㍍)

 

 

常盤支線No.1鉄塔は、No.34鉄塔から分岐した電線を受け止め、常盤支線に折り返す造りになっていて、形が妙に愛らしい。

 

 

昭和電工へと続く、東京電力大町線常盤支線をみる。しかし、水力発電の開発については、電力会社の競争が以前からあったということだろう。それとも政府によって開発する水系が決められていたのだろうか。いやいや、木曽川には関西電力があり、姫川には中部電力の発電所がある。各社がどう開発を進めてきたのか、その背景が気になる。

 


 

2024年5月11日撮影

 

この日、偶然通り掛かると、東京電力パワーグリッド大町線No.34送電鉄塔の形状が変わっているばかりか、昭和電工(現レゾナック・グラファイト・ジャパン)大町事業所に送電していた常盤支線No.1およびNo.2鉄塔が撤去されている。よくみると、新しくなったNo.34送電鉄塔から送電線が分離されている。

 

今年の2月に新造された高さ58㍍のNo.34送電鉄塔。高さを上げて腕金を上下に設け、常盤支線と分離させる構造になった。この鉄塔が高くするために、大町線の前後の送電鉄塔も新しくなっている。

 

No.34送電鉄塔の袂から東京電力パワーグリッド大町線常盤支線をみる。その先に見えるのは以前からの常盤支線No.3送電鉄塔だと思われる。そうなるとNo.1およびNo.2鉄塔は欠番になっていると思われる。

 


 

構図を優先して撮影に夢中になっていると、この鉄塔のNo.がいくつなのかを見失う。特に私の場合、進行方向だけでなく、振り返って写真を撮るから、後からだと認識番号がわからなくなる。

 

 

No.42送電鉄塔には、丸い形状のものが付いている。この鉄塔は平成23年(2011)になってから建て替えられている新しい鉄塔だ。すると、猫などの動物が登れない、ねずみ返しのようなものではないかと推察する。
 

 

またまた鉄塔の認識番号を見失うが、他の方のウェブサイトには、大町線のすべての送電鉄塔の写真が紹介されていて、その形状から、この写真がNo.42からNo.41、No.40を写したものだと判明する。

 

 

No.45の鉄塔の向こうでは、春の野焼きが行われている。今日は晴天に恵まれ、風もないから田んぼの畦を焼くにはいい日だ。鉄塔の足元の基礎部分は思ったよりも華奢なものに映るが、四角錐という構造上、地震などの揺れには強いと思われる。
 


追跡! 東京電力大町線ポタ Vol.8に続く