米内沢駅に着くと、なんと「赤い鳥」が開店している。しかもそこには、あの女性がいる。乗車する列車までそんなに時間はないが、この店が開いていて良かったこと。ここに住む人たちの心の拠り所になっているだけでなく、秋田内陸縦貫鉄道の存続を願うファンにとっても心強い存在になっていることを伝える。(写真/無理を言って撮影させていただく。それにしても秋田は、うわさに違わず美人さんが多い)

 

昨日みた営業日は、野菜の販売コーナーのことだったようで、赤い鳥は毎日営業しているという。しかし、閉店は15時で、昨日着いたのがそれよりも遅かったので、閉鎖されてしまったと思い込んでしまったのだ。それにしても今思えば、列車を一本遅らせてでも、もっと話を聞きたかった。(写真/米内沢駅に入線してくる鷹巣駅行きの車両)

 

結局この旅では、必ず立ち寄っていた合川駅(写真)に降り立つことはなかった。さざなみ温泉を失った意味は大きいが、しかし、それ以上に米内沢駅に新しい希望を見出した方が、間違いなく大きい。「駅に何もなくなるのは寂しいから、駅で利用客を迎えたい」。そんな地元の人の優しい気持ちにもう一度寄り添ってみる。


秋田内陸縦貫鉄道鷹巣駅から

JR奥羽本線鷹ノ巣駅へと乗り継ぐ
 

秋田内陸縦貫鉄道が鷹巣駅に着く1分前に、JR奥羽本線鷹ノ巣駅から弘前駅行きが出発するはずだったが、JRが遅れていて、乗れるはずのない列車に駆け込んだ。1時間余もここで次の列車を待たなくてはならなかった。鷹ノ巣駅周辺では、いくら調べても、適当に過ごせる場所は見つからず、駅の待合室でただ待つしかないと考えていた。(写真/停車時間が生じた大館駅には貨物駅がある)
 

 

しかし、鷹ノ巣駅で待ち時間がなくなった分、次の目的地の大鰐温泉駅では逆に時間を持て余す。朝風呂に入ってきたばかりだから、大鰐温泉の共同浴場に行く気にもならず、どうしようかと思案に暮れる。(写真/弘南電鉄大鰐駅のJR側の入口をみる)

 


そうだ、今夜の宿で過ごすための食品をスーパーで買い求めよう。当然いいアイデアが浮かぶ。今日この後の予定は、大鰐温泉駅前で昼食をとってからは、今夜の温泉宿まで移動するだけだ。宿で過ごす時間は長くなるはずで、日本酒とつまみをここで調達すれば安く済む。(写真/JR線から弘南鉄道に向かう跨線橋から写す)



買い物してもまだ時間はある。大鰐温泉駅を一周するように散策すると、西側に平川が流れ、鉄橋が架かっている。しばらくすれば、本来乗るはずだった青森駅行きの特急つがる(写真)がやって来る。



特急つがるが現れる前に、背後で、弘南鉄道の車両が大鰐駅を発って行く気配を感じる。そうちょうどJR奥羽本線と弘南電鉄大鰐線の真ん中に立っているのだ。狙い通りつがるを収めてから、すぐにカメラを振って撮影しただけだが、川面とローカル線の長閑な様子が映し出されたお気に入りの一枚となる。
 


JR東 30周年記念パスで温泉三昧 Vol.6に続く