南松本駅 シェル石油専用線

南松本駅の南端にやって来る。そこはシェル石油の専用線があり、タンク車が停まっている。ここで石油を抜いて、車輸送へと繋ぐことになるのだろうが、日本の根幹を成す物流の拠点が今、目の前にある。(写真/右側に篠ノ井線本線が通る)

 

 

南松本駅 シェル石油専用線

この場所からはタンク車の上部から、松本駅方面を望むことになる。今日は土曜日だからか、石油を抜きとる作業は行われていないが、規則的に並んだタンク車の向こうには、先ほど反対側からみた国道19号の跨線橋が見える。

 

 

タンク車 塩浜駅常備 南松本駅にて

タンク車には、この車両が塩浜駅の所属だということが描かれている。しかしわざわざこうして駅名が描かれているということは、車両開放時や編成時にこんがらがってしまうことも稀にあるのかもしれない。今は、おそらくコンピュータで制御されているからそんなことはないだろうが、古き佳き時代には、行方不明になった車両もあったのかもしれない。

 

 

南松本駅 日本オイルターミナル

市場団地を抜けて、北側に行くとそこには日本オイルターミナルの線路が4本もある。専用線かと思っていたが、石油1~4番線という呼び方をしていてJR貨物が所有しているようだ。それもそのはず、同社は日本オイルターミナルの株主に名を連ねる。


 

南松本駅 日本オイルターミナル

日本オイルターミナルは石油製品の物流合理化を目的に当時の国鉄と石油元売各社が共同で作った会社だ。昭和41年(1966)のことだというから、エネルギー輸送が、日本経済において重要な位置を占めてきたことがわかる。

 

 

南松本駅 日本オイルターミナル

市場団地の油槽所では、タンクローリーに石油を積み込む人の姿がある。ここからは、鉄道から車輸送へと切り替わる。こうして私たちの最も身近なガソリンスタンドへと運ばれて行く。


 

南松本駅 団地線
南松本駅がこんなにも重要な輸送を担っていることに、今まであまりにも無関心だったことを恥じた。石油やセメントといった資材の他にも、地元企業の岡谷酸素(写真右奥のビル)が国内最後のLPGタンク車輸送をしていた専用線も残っている。そしてそれらのレールは、今や不要になっても、車輸送が途絶えたときを想定して残されている。鉄道の骨太さ。逞しさを学ぶ楽しい社会見学となった。(写真/国道19号の跨線橋から塩尻駅方面を写す)
 


南松本駅で鉄道輸送を学ぶポタ END