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ぽたらか

ぽたらかは20年の歴史を閉じます

先月、消防署の近くで午後6時頃、路上生活をしていた50代の男性が、意識がないということで近所の女性が救急車を要請したが、出動指令は出さずに放置し、翌朝発見した男性が再び救急車を呼んだが、既に死亡していたという事件が発生。それについてのコメントで、『病院に運んでも金が無ければ、治療費も払えないから、当然』という意見が多かったので、つい黙っておられずー。

『行旅病人死亡人取扱法

第二条 行旅病人ハ其ノ所在地市町村之ヲ救護スヘシ

第十五条 行旅病人行旅死亡人及其ノ同伴者ノ救護若ハ取扱ニ関スル費用ハ所在地市町村費ヲ以テ一時之ヲ繰替スヘシ』

とある。これは明治32年に施行されたものではあるが、もちろん現在でも活きている。

私が住んでいる東京都墨田区の生活保護課の伝説のケースワーカーは(但し、20年近く前の事なので)「私の行動の原点は行旅病人死亡人法です。」と初対面で言われて、感動したことがあった。決して断らない。事情がある人は区役所に住民票を置く。ぽたらかさんでないと、引き受けてくれる施設がないんですよー。と泣き脅しにかかる。仕方なく、「じゃ、施設が決まるまでの間ね。で、どこに迎えに行けばいいの?」「もう。連れて来てます。」玄関を開けると猛烈な臭気を放つ、ぼろ雑巾の塊が…。また、病院に迎えに行ってくれというから、車で迎えに行くと、救急搬送口の扉の前に黒い塊がー。その人は中にも入れてもらえず、医者の診察すら受けていないようだったー。

 それでも、風呂に入れて髪を切り髭を剃り、着替えてたくさん食べさせると、普通の爺さんになる。2,3カ月もすると要介護認定されて老人ホームの入所が決まる。年寄りはいいけれど、まだ50代60未満は落ち着くと、黙って出ていく。生活保護を役所に受け取りに行って、そのまま失踪だ。どっちにしても苦労は水の泡だし、立て替えた経費は返ってこない。でも、後悔はない。

 私たちの苦労より、大変なのはケースワーカーの方だ。病院は身元不明でも医療費はちゃんと請求できる。生活保護者にジェネリック薬品の普及が一向に進んでいないのが、その証拠だ。請求先が国だからとりっぱぐれはない。

 私たちの税金がーと心配する国民に言いたい。生まれつきのホームレスなどはいない。ホームレス同然の生活をしてても消費税などの税金は払っている。税金を払っていない者は助けてはいけないなんて、江戸時代だって、そんな非情な御上のお達しはなかった。もちろん、感謝されたくてやっていたら、とっくに挫折している。『こいつらこういうものだからー。」でいい。

 ま、とはいえ、幾分か、長谷川平蔵は意識してるかなー。