関東と関西の違い | ぽたらか

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日本の「最貧困地域」再生で見た甘くない現実 「西成特区構想」を率 ...

 昔、釜ヶ崎のドヤに泊まったことがある。部屋には鍵がなくて緊張したけれど、熟睡した。朝、共同洗面所で顔を洗っていると、おっちゃん達が起きてきて、「おはよう!」と声を掛けると、みんな「うおーっ!!」と驚いて上を下へと大騒ぎになった。何しろ、当時20歳前後のうら若き女の子が一人でドヤに泊まっているのは、釜ヶ崎歴史上初めての事だったから。

 おっちゃんたちに教わって、労働センター前のモーニングを食べに行った。6枚切り50円の食パン1枚を七輪で焼いてマーガリンを塗って、インスタントコーヒーを紙コップで入れて、モーニングセット150円也を路上でやっている店だ。

 中学時代の友達が西成にアパートがある友人を訪ねた時、ドアの前に脱いだ靴の片方がない。見ると、部屋の前でその片方の靴を堂々と500円で売っている。仕方なく自分の靴の片方を500円で買ったそうだ。

 そんなしたたかな大阪人だが、関東の特に東京では、公衆トイレではきちんと行列を組んで待っている。漏れそうな年寄りでも子供でも情け容赦はしない。ところが、大阪では「子供が漏れそうなんで!」というと「はよいき!はよいき。」と当たり前のように譲ってくれる。横断歩道では青色から赤になる黄色でもう、みんな当たり前に横断し始めるのにである。

 山手線では我先に席を陣取り、スマホに夢中で気分が悪い人が居ようが、障害がある人が居ようが、気づかぬふりをする。しかし、大阪の環状線では、むしろ席が空いているのに誰も座ろうとはしない。やせ我慢をしているのか。

 最も関西の京都では愛想よく客人を招き入れても、そろそろ帰って欲しい時には「おぶぶ(お茶漬け)でもどうだす。」と言えば、帰ってくれとの合図だという事は有名な話である。私が京都の尼僧の学校にいた時には、話に聞いた通りにそう言われたのでびっくりしたことがある。言われなくても、京都人は顔に出るからすぐわかるけれどー。

 関東と関西、どちらがいいかとは人それぞれである。でも、私は昭和の古き良き時代、江戸の風情の残る下町の、おせっかいはせず、かといって突き放しもせず、そっと見守ってくれる江戸っ子も好きだったなあ。