熱帯夜の怪談① | ぽたらか

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「魔法社」キュウモウ狸様を祀る

 岡山の総社地方に伝わる伝説。南蛮から来た伴天連が狸を連れて来た。(南蛮には狸はない)やがて狸は月夜の晩に人間に姿を変えて『サイヤーン、サイヤーン』と歌う。ーこれはヘブライ語で神を讃える意味らしい。

 総社には上原村(カンバラ)と言う陰陽師の村があった。村は今でもあるが、陰陽師はいない。長崎で処刑された26聖人に含まれない元ユダヤ教徒(マラーノ)の転び伴天連がいたらしく、その人が長崎へ向かう一行から逃げ出した可能性もある。

 日本にしかいない狸を式神として使っているうち、狸が妖怪化したのかもしれない。私のプロフィール写真がそれだ。岡山の実家を片付けて上京する日、スポーンと庭の祖父が焼いた陶器の御社がロケットのように飛んで落ちたから、元へ戻してガラケーで写した。今はペットとして使っている。「キュウちゃん、代わりに行って!」見舞いなどに。

 それ以来、電車で友人と話していた時に偶然、隣に座っていた人にお祓いの方法を教えてもらったり、(いきなりではない。事故物件に住む友人から話を聞いていた時だった。)その方法は今でもやるが、他人はびっくりするほど効果があるというから、こっちがびっくりする。)何しろ、私には霊力はからきしないので、幽霊なんて見たこともないし、時宗は浄土系なのでお祓いなんてしないのだ。その方法はどうも陰陽道らしいが。そもそも、偶然にも陰陽師が隣に座って、見ず知らずの女性にお祓いの方法を伝授するだろうか。

 怖い思いはしたことがないが、不思議な体験は嫌というほどある。岡山県北に荒戸山という神体山があって、そのふもとで友人たちとキャンプをしたことがある。翌日、町役場に使用料を払っての帰り、雲一つない炎天下の夏の日、荒戸山の麓をバイクで走り抜ける時、突然雨が降り出した。しかし、奇妙なことにすれ違う車の運転手が次々と、私の頭の上をみあげていくのだ。それで、私もバイクを止めて見上げると、自分の頭の上に直径1メートルくらいの雨雲がバイクの速度に合わせて、雨を降らせているのだ!!何しろ暑かったから、気持ちよくてー。荒戸山の龍神様の粋な計らいだったと思っている

 そして、東京に移り住んでからのこと。これも神様系だと思うのだが、知人の依頼でお祓いにいく途中、私と違って霊力のある息子と一緒だったのだが、踏切を渡るとき、いきなり掻き曇り、真夏だったのに冷たい風が吹き付け、しかも雹がたたきつけるではないか。私は「なんだ!これ。どうなってんの?。」と大騒ぎ。それは踏切を渡り切る間の1,2分の事だった。渡り切って息子が、「うるせえよ。何騒いでるんだ。」というから、昔の一人雨雲みたいに、一人吹雪だった。しかし、私の肩に付いている氷の塊を見て、息子は急に母親が気が狂ったのではないことを認めてくれた。その物件はお祓いが終わって、窓の外を写メで撮ると昼間なのに闇夜に浮かび上がる朱の鳥居が無数にー。怖いと言うより不思議系は稲荷だった。

 怖くはない話ばかりだったので、次はもう少しぞっとする怖い話を…。