介護犬から要介護犬へーおむつデビューー | ぽたらか

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ぽたらかは20年の歴史を閉じます

震災からもう10年だもの、福島をさまよっていた母犬もそりゃおばあさんになるよねえ。

 

午前9時から午後5時まで、きっちりと出社から退社までは事務室で秘書として毅然として、寝ている施設チョウさんー。任務が終わると上に上がり、リラックスタイム。そこで気が緩むとちょっと、ちびる。すぐに証拠隠滅を図ってなめてごまかそうとするがばれると、それは申し訳なさそうに、ショボンとしている。

 

まあ長いこと、おじいちゃんたちのお世話をしてきたんだからね。30年閉鎖病棟にいたムラ爺が、食堂で誰もきいていないのに、唱歌を2,3曲歌って「ご清聴ありがとうございました!」と頭を下げて、ぴょんぴょんと跳ねながら部屋に帰る、それをチョウちゃんがワンワン吠えて後を追う。「うるさいよ、チョウちゃん!」と行ってみると、ムラ爺が倒れている。チョウちゃんは危なっかしい足取りで、「倒れるよー、ほら言わんこっちゃない。」と私たちを呼んでいたのだ。

 

そのくらいこの子はよく気が付き、自分の役目はこのおじいちゃんたちのお世話をすることだとわきまえている。福島で保護されてきたばかりの時はほぼ野生化していたけれど、精悍で機敏だったオチョウちゃんも、寄る年波には勝てず、目は白内障で歯はボロボロでお尻は肛門腺膿炎で、それでも朝になると「はい、お時間よ!」と下に降り、事務所で定位置に座ることをせがむ。

 

若干、プライドは傷つけられたかもしれないが、「チョウちゃん、おむつ可愛いー。」ってほめるとまんざらでもないみたいで、「まあ、このオムツっての?じいちゃんたちが嫌がりもせんのがわかるかもー。」ってらしく、意外にケロッとしている。