暑い時には涼しい話を | ぽたらか

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ぽたらかは20年の歴史を閉じます

人間、赤の他人に下の世話までされて、最後の最後には、「有り難う」と一言くらいいうもんだ。それがここにいる連中ときたら、「早くしろ、このくそばばあ!」そりゃないだろ!

糞尿まみれでゴミ溜めから衰弱して発見された、Hさん、身体を清拭しようにも針金のような細い手足を振り上げて、抵抗する。こんなになってまで、人を信じられ無くなった、この人の人生ってどんなだったろう。可愛そうな気もするが、こうまで罵詈雑言を聞かされると、このやろう!って思わずにはいられない。緊急入院したとき、もう帰ってくるな!っと正直みんな思ったものだ。

ところが、病状も一段落して、とりあえず退院するというときに、看護師が「Hさん、ぽたらかに帰りたいっていうんですよね。今までは帰るところがなかったから、退院して帰りたいって言葉を聞いて、びっくりしました。」と聞いて、なんとも複雑な気持ち。「あの人にそんな人間的な感情があったなんて!ぽたらかさんのおかげです。」とワーカーまでもすがるような目で見る。くそっ、「断ってくださいよ、くれぐれも仏心を起こさないで」と、みんなから頼まれているのに。

結局、最後をここで看取る結果となった。亡くなって2,3日明け方に彼の霊が目撃された。恨みがあってでているふうは決してない。歩き回る元気さがあったときの様子と全く変わりなく、食堂をうろうろしていたそうだ。「ありがとう、お世話になったよ」って、いいたかったのかもしれない。声は聞こえなかったけれど、霊を目撃したスタッフはそう感じたそうだ。