2人の子持ちの尼です | ぽたらか

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ぽたらかは20年の歴史を閉じます

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この尼さんには2人の息子がいる。見てくれだけでこの世界に飛び込んだ尼僧だから、自分でも一番恰好良いと思っているのは僧形の姿である。出産のときだけはさすがに髪をのばしたが、時々発作的に髪を剃りたくなる。10年前にインドに一人で行ったときも、行きは普通のおばさんだったのが、帰りは頭を剃り、南方仏教の黄色の法衣を着たまま、「ただいま!」と玄関の戸を開けた。下の子は珍しくて「わーい、水島上等兵が帰ってきた!」とはしゃいでいた。ちょうどそのとき、中井貴一主演のビルマの竪琴をテレビで放映したばかりだったらしい。ただ上の息子はむすっとしていて、後で「もう。涙が出そうだった。」と打ち明けた。

だから、今は山谷の養護老人ホームに働いている上の息子が、あまりにも疲れているようだから先日、「あまり無理すんなよ。」と声をかけたら「ぼくの疲れの原因の一つはあなたにあるんですからね。」ときつい一言。私には今は怖い者はなにもない。ひとえにうちの息子が怖い。

でもわかるよ、その気持ち。こんな母を持った息子は世界一気の毒だ。昔、父兄参観に作務衣でいくと、「かあちゃん、作務衣でくるのはなんとかしろよ。」「ああ、黒の作務衣はまずかったかな。じゃ、今度は茶色のがあるからあれにしよう。」「作務衣を一度はなれろよ!」

でも、白に黒のコントラスト。そこへ清潔に青々と剃り上げた頭。どんなご面相でもいい男いい女にみえるもんだ。よく見えなければ、人間やめたほうがいい。

紫衣や緋衣は、今はどんな坊主でも着るが、徳の高い、品格のある僧侶が着ると美しい。徳が高くないと衣が浮いて見えるから、不思議なものだ。

インドにいくと黄色の法衣を着る。僧侶を見かけると人々は足下に跪いて、3回足にキスをする。最初は恐縮したが、私ごとき偽坊主に礼拝している訳じゃない。お釈迦さまから三国伝来のお祖師方がおられたからこそ、この法衣に人々は感謝しているんだと思うようになってから、遠慮なく礼拝をうけるようになった。

仏縁がなければ、法衣は似合わない。私などは自分でいうのもなんだが、法衣を着て黙っているとどこのご法主かと思うくらいにはったりがきく。ただどうしてもすぐに地が出てきてしまうのが、残念。