こんにちは。ふくしまこどもの学校給食を考える会代表のあけみん先生です。

先日、FBに投稿した韓国オーガニック給食の記事 

https://www.facebook.com/akemi.kameta/posts/2397953917088672

 

韓国ソウル市内では、2021年から小中高学校で無償オーガニック学校給食が実施されるそうです。

フランスやイタリアでも、オーガニック給食が実施されるようです。

そして、近年日本でもオーガニック給食に盛り上がってきていますね。

 

ですが、オーガニック給食なんて言葉がまだなかった時代

福島県「熱塩加納の学校給食」は、すでにオーガニック給食だったんですね!

 

今日は、オーガニック給食レポートの第1弾として

熱塩加納の給食を紹介したいと思います。

 

山形県との境に接する旧熱塩加納村は、

平成の大合併で現在は喜多方市となっています。

以前は熱塩加納村の熱塩小学校、加納小学校それぞれが、

単独行方式で給食を実施していました。

 

(熱塩加納の学校給食)

 

現在は、2校の小学校と会北中学校を合わせた3校分の給食1日200食を

喜多方市熱塩加納学校給食共同調理場で作っています。

 

中学校に併設されている調理場には、朝早くから農家の方が新鮮な野菜を持って集まってきます。

対応するのは、栄養士の先生や調理員さん。

農家の方から、栽培している野菜の種類や生育状況を聞きながら、野菜を受け取るのが日課だそうです。

 

Aさんの畑では「ほうれん草」が、Bさんは「白菜」・・・と寄せられた情報を基に、次の週の献立を立てるのだとか。

普通給食の献立は、1月分まとめて作るのですが、

熱塩加納の給食は週単位。

地元にある食材を中心に考えられるのです。

 

一軒の農家で賄いきれない時は、数軒に持ち寄ってもらい使用量を確保することもあるそうです。

野菜は有機農法で、まごころ込めて作られたものばかり。

なので、野菜を提供しているグループは、「まごころ野菜の会」と呼ばれています。

この「まごころ野菜の会」が結成されたのは今から約三十年前。

 

当時、子ども達に地元の米や野菜を食べさせたいとの、

村の人たちの願いから約30名で活動をスタートさせたそうです。

 

 

(届けられた野菜と共に、生産者の顔写真が・・・)

 

その当時から、給食の時間になると、

「今日の給食には、○○さんの作った人参、○○さんの作ったねぎが使われています」と、

その日の給食に使用されている食材の生産者の名前が校内放送で流されています。

 

それを聞いている生産者の子どもやお孫たちは、誇らしい顔で給食を食べてきたのでしょう。

 

もう一つの特徴は、特別栽培米のさゆり米が週に5回提供されていることです。

週5回ということは、パンや麺の日はなく、毎日米飯が主食の給食です。

 

しかも、30年前は、学校給食用の米には、政府米を使用することを条件に国庫補助が適応されていました。

政府米でない、さゆり米に対して補助金を適用することは不可能でした。

そこで、当時の保護者や給食関係者達は、なんとか補助金の範囲でさゆり米を取り入れられないかと、福島県教育委員会等に働きかけましたが、実現には至らなかったようです。

そこで、熱塩加納の保護者や給食関係者達は、給食費が多少高くなったとしても、

補助金に頼らず自前で地元のさゆり米を子供達に食べさせるという道を選択したのです。

この選択には、補助金という目先の経済効率よりも、地元の安全な食べ物を地域の子ども達に食べさせたいという、強い想いが込めれていたのではないでしょうか。

 

(以下の論説を参考にしました)

 

http://ir.lib.fukushima-u.ac.jp/repo/repository/fukuro/R000004066/2-412.pdf

 

さらに、食器にも特徴が! 

現在、喜多方市内全域の学校給食には、

漆塗りの木製漆器が採用されています。

以前使用されていたポリカーボネイト製の食器に含まれるフィスフェノールAという環境ホルモンが、人体に害を及ぼす可能性が指摘されたことから、

漆塗りの給食椀に更新されました。

 

地域の伝統である漆塗りの食器に、地域の食材をふんだんに使った学校給食。

 

福島には、こんな素敵な学校給食があるんですよ。

 

当時熱塩加納村の栄養士だった、坂内先生が補助金の壁を崩すのに村の人たちと団結して、県に働きかけていた様子を間近で拝見させていただきました。

 

無農薬のこと。。給食に使われる加工品ことなどなど、様々なことを教えていただきました。

私は、食の安全の本当の意味に気づいたのも、坂内先生の取り組みを知ったからでした。

子どもたちの食を預かる使命感や責任感を行動で示してくださった姿は、今でも心に残っています。

 

現在、日本や世界中で、学校給食にオーガニック食材を活用する動きがありますが、

元祖オーガニック給食は福島の熱塩加納ですよね!(っと私は確信しています!)

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。