こんにちは。
ふくしまこどもの学校給食を考える会代表のあけみん先生です。
年末に投稿した韓国オーガニック給食視察についてですが。。。
https://www.facebook.com/akemi.kameta/posts/2397953917088672
残念ながら、コロナウイルスの影響で今回は取りやめることにしました。
その代わりと言っては何ですが、
今、日本でも着々と進んでいる
オーガニック給食についてレポートしていきます。
レポートの第二弾は、千葉県いすみ市
いすみ市といえば、。。。
ふくしまこどもの学校給食を考える会事務局の
ハナリンこと大花慶子さんが、東京から移住して
NPOで「街づくり」活動をしていた場所ですね。
<いすみ市の広報より>
そんな移住者の多い、いすみ市の学校給食は、
2017年10月より、市内13全ての小中学校の給食で食べる米を
無農薬無化学肥料の有機米にしたということ。
学校給食で使用されるお米の全てが、有機農産物(農薬・化学肥料不使用)となるのは、
いすみ市が全国ではじめてだということで、新聞などでも報道されていました。
https://www.chibanippo.co.jp/news/local/449327
記事によると、
いすみ市では、2013年に
「自然と共生する里づくり」の一環として、有機米の生産を働き掛けたそうです。
当初参加した農家はたった3軒でしたが、毎年徐々に参加する農家が増えていき、
5年後の2018年には、23軒にまで増えました。
そして、全小中学校の計約2300人分の米、約42トンを賄うことができるようになったそうです。
<グラフ 下記資料を元に作成>
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/attach/pdf/ogabiz_seminer-9.pdf
最初は3軒の農家からのスタートでしたが、
たった5年で日本初の実績を作ったいすみ市。
やはり、そこに住む方たちの意識が高かったのでしょうね。
街は、そこに住んでいる人たちの意識で作られます。
人の意識を作るのは、食べもの「食」なんだなぁ・・と実感しました。
この農薬・化学肥料を使わずに栽培される米は、
同市が2015年に、農家の所得向上を目的に
(いすみ市のブランド米 いすみっこ®︎)
高価なブランド米を、よそに売らずに地元の子供達に食べさせよう!と、
働きかけた地元の方達の「儲け」より「人づくり」の精神がこの試みに
繋がったのだと思います。
福島県喜多方市熱塩加納の学校給食も、
地元の「さゆり米」を子どもたちに食べさせよう!
との働きかけが、今から30年前ありました。
(詳しくはこちらのブログ)
地元の美味しいお米を「子供たちの食べさせたい」という
思いは同じなんですね。
新聞によると、
有機米の全量使用開始を記念して開かれた会食イベントで
・地元の営農組合長さんは、
「稲の管理が大変だが、安心で安全なご飯を小中学生に食べてもらえてうれしい」と顔をほころばせ。。。。
いすみ市長は、
「自然に近い食べ物で生活することが大事。5年かけて提供することができた。生産者が丹精込めて作った素晴らしい米」と・・・
給食を食べる小学生(女児)は、「もちもちしている」と満足顔。
祖父母が農業をしている男児も、
「毎日の給食が楽しみ。農家を継いで、おいしい米をみんなに食べてもらいたい」
なんて素晴らしいのでしょう
「食」は「人」を作り、「人」が「地域(街)」作る。
経済を最優先させるのではなく、地域の子供たちを最優先させることで、
子供達は、地元の食べ物の美味しさを潜在意識に刻み、郷土愛を育む。
さらには、大人たちの経済行動も学ぶ。
良い経済行動は、
「農家を継いで美味しいお米をみんなに食べてもらいたい!」
という、農家の後継者を生み、地域(街)に好循環をもたらします。
こうした取り組みを見ていると、
「給食」で何を食べさせるか、ということを大人が選択することは、
その地域の産業を担う人材を留めておけるか・・・
それとも。。。都会に出て行ってしまうか・・・
を決める重要な要素なのだと思いませんか?
オーガニック給食は、大人の経済行動が試される給食ですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。