「郵政見直し議論」によって今何がおきているの? | 世界一やさしい「郵政民営化」のお話

世界一やさしい「郵政民営化」のお話

小泉旋風では「賛成!」。民主党旋風では「全面見直し、凍結」。

でも、本当はどっちなの? それともどっちでもいいの?

今イチわかりにくい「郵政民営化」見直し議論。 今だからこそ、ぐっと分かりやすく解説してみたいと思います。

こんばんは。
今日も郵政民営化見直しについて、考えてみたいと思います。

今日のテーマは、『「郵政見直し議論」が巻き起こったことによって、今何がおきているの?』
です。

「郵政民営化については、時計を全部巻き戻す!!」と亀井大臣がおっしゃっていますが、その結果、実際にどんなことがおきているのでしょうか。

特に、これまで何年もの間「民営化」を目指して準備して来た日本郵政グループの最近の様子について、一度整理してみたいと思います。


実は、「民営化見直し!」という議論が出て来た結果、一番大きく影響がでているのは、新しいビジネスの認可です

そもそも郵政グループの「新しいビジネス」は当然、「民営化」されて、「民間と同じ競争条件」でやる、ということを前提に、許認可されてきました。

でも、「民営化されないかもしれない」となると、政府の後ろ盾がまだついた形になるかもしれないので、新しいビジネスは「民業圧迫」に他ならなくなってしまう訳です。

当然、新商品の販売認可はおりなくなります。

かんぽがずっと準備をして来た損保商品の販売は凍結。
新たな収益源を確保するための新商品販売だったわけですから、当然、大幅な事業計画見直しが求められて来ます。

もう1つ大きいのは、ゆうパックとペリカン便の事業統合見送りです。

宅配便業界ではクロネコと佐川が強いのですが、そこに水をあけられていた郵便事業会社と日通が、宅配便事業を統合、この10月に「JPエクスプレス」という会社を作って船出をする予定でした。
既に7000人以上の社員がお互いに出向したり、新しい統合システムを準備したりしてきた訳です。

この話は、先の鳩山総務大臣が例のかんぽの宿事件以降、どたんばで「だめ!認可なんかしない!」といって認可しないまま、後任の総務大臣も「事業計画を見直す必要がある」という理由でやはり認可せず、ここまでずるずる来てしまった状態ですね。

当然、郵便事業会社でも、統合準備のためにこれまで相当お金をかけています。

でも結果として認可がおりないので、その準備はすべて宙に浮いたまま、それぞれ別々に宅配を運営しなければならない。

結果、当然のことながら、ただでさえ厳しい宅配事業の赤字は、どんどん膨らんでいきます。

とはいえ、今後「郵政民営化の見直し」がどういう形になるかが明確にならない限り、この統合話が白紙になるのか、それともやっぱり統合するのかは、全く決着しないでしょうから、しばらくこの不幸な「宙ぶらりん」状態が続くのだと思います。

宅配事業では通販会社などが重要なお客さんなのですが、この「宙ぶらりん」な状況を嫌って、
「ゆうパック」離れがおきてくるのではないか、という懸念もでています。

そうなってくると、もう泣きっ面に蜂ですね。

「前進することも、大幅に後戻りすることもできず、自分達で何らコントロールすることもできず、ただ先行きへの不安と赤字だけが膨らんでいく」

いまの状態が、職員の方々には一番苦しいのではないでしょうか。

見直しの議論は多いに結構だと思いますが、「政治のレベルで議論はすれど、一向に何も決まらない」状況こそ、国民にとっても郵政グループの職員の皆さんにとっても、最悪です。

いずれにしても、

1)しっかりと「短期集中」で、表面的な議論ではなく「本質の議論」をすること

2)不必要な議論を招く中途半端な民営化はせず、見直すなら完全に見直す、民営化なら思いっきり民営化、という形で、スパッと明確な方向性を決めること

3)一旦方向性を決めたら、時間を全部巻き戻すにしても、止めた針をもう一度動かすにしても、
 これまでの方向性のいったりきたりで「失われてしまった時間とコスト」について、政府がちゃんと責任を取り、今度こそ、その決めたゴールが100%「実現」されるまで面倒をみること

が極めて重要になってくるのでしょうね。
期待したいものです。

さて、次回は、ちょっと世界の民営化の話に戻って、「失敗だった!」と言われているニュージーランドの郵政についてお話してみたいと思います。

お楽しみに。

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