リタイア後の選択 I子の場合

 

今日も友人のリアル話です。​

I子さんは銀行の調査部に勤続37年、非常に優秀で行内で評価が高く、各方面から非常に重宝がられてきました。​

結婚はせず、病気がちの御父上と同居し、朝・昼の低糖質・低カロリーの食事の用意をしてから出勤していました。​

「わたしはシングルだから気楽だって思われているらしいけど、私だって働く主婦なのよ!」とI子はよく言っていたものです。
そのうち父上は亡くなり、猫二匹の世話だけとなりました。​

ところが55歳になると給料は5割カットになった。​
これは規定ですからどうにもならないのですが、今までと同じ仕事量で同じクウォリティを求められるのはどうにも割が合わないと感じる。​

ふと隣を見ると、同じ仕事をしている30代の同僚は自分の半分も仕事をしていないのに、倍の給料をもらっている。しかも朝は仕事もせずダラダラと爪のお手入れまでしている。
I子が「なぜだ⁈」と思うのも無理ありません。​

I子はこの頃から真剣に退職後のことを考え始めたようです。親友の私にさえ告げず、密かに受験勉強を始めていたのです。

「受かったわよ!」と打ち明けてきたのは、なんと最難関と言われる大学の哲学科に学士入学が決まってからです。​
こうして彼女は定年前に辞職し、第二の人生を歩み始めました。同級生は子供のような年頃の若い大学生ばかりで「みんなさすがにアタマがいいわ!」​

ずっと以前、「社会に還元できない学問なんてする意味がないんじゃない」と言った私に対して、彼女はこう言いました。​

「世の中にはね、真剣に馬車の車輪の研究をしている人だっているのよ。馬車の車輪よ!何の役にも立たないことに見えるけれど、いつか誰かの役に立つことがある。それが学問というものよ」​

彼女は学士課程を終え、修士課程を終え、今は博士論文に取り組んでいます。​曰く​
「私の考えをちゃんとまとめて博士論文を書いてくれる人がいれば、全財産の半分をあげてもいいと思うわ」
・・つまりそれほど苦しんでいるということです。

自分を追い込み、叱咤激励し、ひたすらサボらせないように生きている。
勤勉な努力家であることにただただアタマが下がりますが、I 子のリタイア後の生き方はひとつの理想的なモデルです。​


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50歳から始める後半生設計
未来終活コンサルタント​
八倉巻恭子​
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