その夜、正三は叔父である源之助の前で小さくなっていた。
背筋を伸ばしての正座を余儀なくされていた。
「正三。今日、役所を欠勤したそうだな。露木とかいう者が……」
「はい、申し訳ありません」
「まあ、いい。酒に酔っての寝坊など、二度としないことだな」
「はい、決して」
「はい、申し訳ありません」
「まあ、いい。酒に酔っての寝坊など、二度としないことだな」
「はい、決して」
「で、どうだ? 昨夜は楽しかったか。
三人で、どんちゃん騒ぎをしたそうじゃないか」
身構える正三に対し、源之助は相好を崩していた。
身構える正三に対し、源之助は相好を崩していた。
葉巻の煙をゆったりとくゆらせた。
「申し訳ありません、叔父さんのお名前を使わせていただきました」
体を硬直させながら、ソファからから立ち上がって直立不動になった。
「構わんさ。いいことじゃないか、うん。
あの二人はな、これからお前の手足となって働いてくれるだろう。
どんどん飲ませなさい。
私の名前を使って、どんどん遊ばせなさい。
しかしだ、正三。お前は気を付けなくちゃいかんぞ。
酒もいい、女もいい。しっかり遊べ、飲め。
しかし、飲まれちゃいかん。
酒で失敗した例は、多々あるんだ」
「はいっ、心致します」
顔面が蒼白になった正三だった。
「はいっ、心致します」
顔面が蒼白になった正三だった。
“昨夜の女のこと、ばれているのだろうか?”と、気が気ではなかった。