金魚の恋 emiko編  (三) | toshichanのブログ

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【遅れてきた新人】の、内山敏洋 と申します。 蔵の中に溢れかえっている作品や頭の中に湧き出てくる作品を“どんどんと!”と、考えております。

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あいつとの腐れ縁は、たしか…体育館だったよな。
友人の部活動を待っている時に、[テーマは、愛]を書き上げた。
変なタイトルだけど、面白いんじゃないかって自分では感じてた。

ゴーストの男に恋する女性の話だ。
恋人がゴーストになったのではなく、あくまでゴーストの男に恋してる。
観念的に描いたのだから、構わないんだ。

“ありえなあい!”って言われそうだけど、いいんだ、いいんだ、これで。

初めは車椅子の男に設定していたけど、陳腐なような気がしてやめた。
TVドラマでやってそうだったし。
俺の頭の中にある、「愛」を描きたかったんだから。
まだ漠然としたものだけど、世間さまの「愛」とはひと味違うんだから。

だけど、文芸部の先輩に言われちゃった。
「日記なら、それでいいだろう。だけど、詩として考えてるなら、一考すべきだな。
ゴーストたる彼を、どうして好きになったのかな? 
好きな彼がゴーストになってしまったというのなら、理解できるよ。
でも、それじゃ君のの思い描く「愛」にならないんだろ? 
誰にも見せるつもりなんてない! って、言いたそうだな。
けどな、これから十年二十年と経っていくんだ。
その時にこの詩を見つけて読んだとしよう。
きっと、ぼくの言ってる意味がわかるよ。
だけれども、まさしくあれだな。
━ 恋に恋する年頃 ━そのものだな。
今この時は、現在しかないからね。」

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なあにぃ、それって。
詩、のつもり? 
なになに、
踊れなくてもいい? 
二人だけでいたい?
生命ちの息吹を感じて…
キャハハハ、くすぐったいぃ!
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突然の嬌声。
ほんと、ビックリした。背中越しに覗き込んで、大笑いして。
汗の匂いが、俺の鼻をついた。女の汗なんて初めての経験だ。
何て言うか、悪くはない匂いだった。
どう表現したらいいんだろう? 
少し柑橘系の匂いがあるような…。

なんだってんだ、こいつ! 失礼な奴だ! 
思わずノートを閉じた。
そしてそいつの顔を見ると、見ると、見ると、うーむ、可愛いい! 
こういうのを、屈託のない笑顔、って言うのかな?  
少し丸めの団子っ鼻が、チャームポイントだな。
けっこう好きだぜ、こういうの。

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ねぇねぇ、ナニしてるの?
誰か、待ってるの?
なんて、名前?
あたしemiko、よろしくね。
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これが、あいつとの腐れ縁の始まりだった。