あの映画はすごいね。
時代考証はものすごいアバウト。
曲とダンスとファッションと小物が、微妙にチグハグなんだよね。
そこがまた、独特の作られたバブル感を作り上げているから面白い。
バブル期を思い出すというノスタルジーとは違うまるで別次元の世の中で主人公が生き生きと描かれる。
ホイチョイの緻密さと亀山モデル独特の世界の融合は日本独自のエンタメ作品を作ってる。
ハッピーフライトも大好きだけど、これもいい。
高騰する地価と金融政策と、人間の欲望とエゴが混じり合い、それでもバブルだからと言う一言に全てを包括する時代。
大体バブルと言うのも後付だから、その時は勢いだけだった。
そして、この映画のすごいところは、そのメッセージにある。
バブルが全否定される今の世の中にありながら、バブルを最大限べんごしている。
悪かってのはバブルではなく、バブルを更に利用しようとした欲望にある。
さらには、バブルを処理する過程で銀行を切り捨てるのか、守るのか、その曖昧な処理と官僚の都合に対する批判が込められている。
バブルがはじけて日本は楽しくない世の中になったのか?みたいな質問をするシーンがある。
少なくても、今のあなたには悪い世の中みたい、という下り。
満足は、外ではなく内にあるといわんばかり。
なかなか、亀山制作は見ている側に感じ方の幅を許してくれる。