東京都心の高層ビルの谷間
ここには喫煙スペースが設けられている。このところ大勢の作業服の集団がこのエリアを占拠している。
作業員なのに何故、作業もせずにそこにいるのか。タバコを吸う者、缶入り飲料を飲む者、スマホをいじる者、その行為はまちまちだ。
不思議と会話はない。
作業服、でも建設作業のそれとは違うものだ、足元はスニーカー。
人数にして30は居る。
まるで、戦後間もない工場労働者の身なり、いいや違う、それよりも無気力だ。
彼らに共通なのは、性別とその汚れた使い古しの作業服だけ、年齢も雰囲気も体格もまちまちだ。
ここのプロパー利用者のホワイトカラー達は彼らを黙殺する。
それしかない。
作業をしていない無気力そうな集団。
彼らはなぜ、連日ここに居るのか。

年老いた者は、何を思って座って居るのか。
若い者は、他に選択肢は無いのか。
このオフィス街で何をするために彼らは居るのか。

一つ言える事は
この場所にはそぐわない存在だ。
違和感がある。
差別でも偏見でも無い。
それが事実だ。







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