何故保育園は足りなくなるのだろうか。親と保育園のバランスについて考えてみよう。

 

 保育園ビジネスはどう成り立つか。

 単純に言えば、子供を持つ親が日中働いて稼ぐお金より少ないお金で子供を預けることが出来れば、親としては預ける利益があるとともに、子供を預かる側にとっても金銭面での利益がある。これで契約が成立する。ここで考えておくべき点は、子供を預かる側は、自分が請求する金額より高額の収入を得ている人しか客にできないということである。もっとも、高額の収入を得ている者であれば、収入を得ながら自由な時間を採れる者、あるいは子育てのために十分な資金がある者の割合も増えてくる。そう考えると、保育園の収入源は収入全体のうちの中級層を想定したものであると思われる。

 

 保育園が足りなくなるということは、保育を望む親が多くなるか、子供を預かる保育園が少なくなっているか、あるいは両方かである。

 保育を望む親が多くなったということについて考えてみる。例えば、ある物を売りたい人に比べてそれを買いたい人が多かった場合、起こる現象は売りたい人、あるいは売られる数が増えるというものである。増やしても売れるのであるからどんどん売ってしまおうということである。では売れる数が限界値に達したらどうなるのか。これは部分的にでも買う方が諦めるしかないという結論にならざるを得ない。これらのことを、踏まえるとどうなるか。保育を望む親が保育園に比べて多くなった場合、まず保育園が増えるはずである。子供を預かる仕事が儲かるためである。しかし保育の場合、人手が必要であり、資格も要る。そこでおよそないと思われるが、保育園の増加が限界が達しているとしよう。親が子供を産むが預けずに生活することは難しい。たどりつく先は、子供を産むことを諦める、である。育てられないなら、子供を産むことを諦める。多くが諦める結果、子供は減り、保育園が足りないという状況は解消される。これが行きつくはずの結論である。

 

 机上の議論は以上である。しかし、現実はそうはなっていない。もちろん現在子供を産むことを諦める親が増加しているという状況にあるということも考えられる。しかし、それで済む問題と考えられていない。自然に保育園が減ってそれで解決でいいではないか、とは考えられていない。保育園が少ないという問題提起はされているのである。

 ではこの問題提起、何が問題だと言っているのか。

 次回、話すことにしよう。