眠りながら成功する《第2版》 自己暗示と潜在意識の活用
ジョセフ・マーフィー
1989/08/20
THE POWER OF YOUR SUBCONSCIOUS MIND
by Joseph Murphy
1963
印象に残った文章
いつでもあなたの心が調和と健康と平和と善意の考えで占められるようにしてください。そうすればあなたの生活の中に奇跡が起こります。
忘れてはならないことは、あなたの潜在意識は、あなたの考えが良いか悪いか、または正しいかまちがっているかを検討することはしないで、あなたの考えや暗示の質に応じて反応します。たとえば、あなたがあることを意識的にほんとうであるとすると、たとえそれがまちがっていることであっても、潜在意識のほうはそれを真に受けて、それに従って、必然的に結果を作り出しはじめるのです。というのも、あなたの意識がそれを真に受けたからなのです。
暗示はあなたの心がそれを受け入れないかぎり、それ自体では何の力もないのです。このため、あなたの潜在意識は、暗示の性質に応じて限定された方向にしか流れません。
あなたの潜在意識には、あらゆる点で、あなたを癒し、祝福し、高め、鼓舞するような暗示のみ与えるようにしなければなりません。あなたの潜在意識は冗談がわからないことを忘れないでください。潜在意識はあなたの言葉の額面どおりに受け取るのです。
あなたの願望を実現し、挫折に打ち勝つためには、一日数回、次のことを大胆に肯定しなさい。「私にこの願望を与えてくれる無限の知性は私を導き案内し、私の願望を実現するための完全な計画を示してくれます。私の潜在意識のより深い知恵がいまや答えてくれているのだということを私は知っています。そして私が心の中に感じて要求していることは外界に表現されるのだ。私の心はいつも平衡し均衡し沈着です。」
私たちは自分の抱いている否定的な考えによって自分自身を害しているのです。あなたは怒ったり、恐れたり、嫉妬したり、恨んだりしたために自分を傷つけたことが何度あるでしょうか。これらはあなたの潜在意識にはいる毒です。
深い心理学者の知識を持った牧師が、私に詩篇第百三十九番の深い意味を説明をしてくれました。そこには「汝の書の中には絶えず作られたるわがやからの者すべて書き記されたり。いまだその一人も居らざるときにも」と書いてあります。ここで書という言葉は、目に見えない細胞からすべての私の器官を形成した潜在意識のことだと彼は説明してくれました。私の潜在意識が私の肉体を作ったものである以上、その内なる完全な型に合わせて肉体を作り直したり、癒したりすることもできるはずだということを私に指摘しました。
心が乱れたときは、緊張を解いてくつろぎ、思考作用という車輪の回転を静めるのが一番よい方法です。あたたの潜在意識に話しかけ、平和に調和的に神的秩序に従ってやるように言いつけるのです。するとあたなの体の全機能が再び正常にもどることがおわかりでしょう。あなたの潜在意識に対しては、権威と確信をもって話しかけるようにしなさい。そうすれば、それはあなたの命令を聞くでしょう。
まず最初によくわかっていなければならないことは、あなたの潜在意識はいつでも働いているということです。
あたながかまうことのできるのは、意識する心のほうであって潜在意識ではありません。最善を期待しながら、あなたの意識する心をただ忙しく働かせておきなさい。そしてあなたが習慣的に考えることは、すべて愛すべきもの、真実なるもの、よい評判のものに基づくようにしなさい。自分の潜在意識は常に自分の習慣的な考え方に応じて表現し、再現し、顕示するのだと確信して、自分の意識する心に注意を払うことを、いまはじめてください。
どんな場合でも治癒作用というのは、信念という名の確固たる積極的な心的態度、内なる態度、あるいは考え方なのです。治癒は自信に満ちた期待によるものですが、これが潜在意識に強力な暗示として働きかけ、治癒力を解き放つのです。
各人各様の理論や方法はあるのでしょうが、治癒作用はたった一つしかありません。それしてそれは信念です。治癒力というのは一つしかありません。それはつまり潜在意識です。あなたの好きな理論や方法をお選びになるのがよいでしょう。あなたが信念を持っているかぎり、成果があることは保証つきです。
あなたに恐怖と心配を離れて信念と期待に進ませる方法は、どんなものでも治癒力があります。
このテクニックは、根本的には潜在意識が意識する心から引き渡れるままに、あなたの必要を引き受けてくれるようにすることです。この「終了」のテクニックは、幻想のような状態にあるとき、もっともよく達成できます。あたたの心の深いところには無限の知性と無限の力があることを忘れないでください。まず静かな気持ちで自分のほしいものを考えてみるのです。そしてこの瞬間から、それがじゅうぶんに達成されてくるところを目に浮かべてください。
もしも受け取りたいなら、信じながら求めなければなりません。あなたの心は考えから物へと進みます。最初、心の中に絵がなければ、心は動くことができません。というのは、その場合向かってゆくべき目的物がないからです。あなたの心の活動である祈りは、最初心の中の絵として受け入れられ、その後にはじめて潜在意識の力がそれに働きかけ、生み出せるのです。あなたは、心の中の受容点、すなわち無条件かつ絶対の同意状態に至らなければなりません。
この黙想には、願望が確実に達成されることを予見しての喜びの感情と安らぎの感情が伴わなければなりません。自分の意識する心の動きは、無限の知恵と力である潜在意識から、はっきりとした対応を得るのだということを知り、このことに完全な信頼を置くことが、真の祈りの技術と科学の正しい基礎です。この順序に従ってあなたの祈りはかなえられるのです。
自分が何を言っているのか、またなぜそんなことを言っているかを知った上で、ある肯定を繰り返していると、心は次第に自分がほんとうだと言っていることを受け入れる、かの意識の状態にまで至るのです。満足のゆく潜在意識の反応のあるまで、人生の真理を肯定しつづけなさい。
暗を除くには光を用いることです。寒さを克服するには熱を用います。否定的な考えに打ち勝つ方法はよい考えにおきかえることです。よいことを肯定すれば、悪いことは消えます。
失敗する主な理由は、自信の欠如と力みすぎです。
努力しない生活のやり方がいちばんよいのです。自分がしたくてたまらないことをしなさい。しかも、その仕事がわくわくするほど楽しいからやるというようでありなさい。
夜、眠りにつくとき、次のテクニックを実行してください。静かに、くつろぎ、実感を込めながら「富」という言葉を繰り返してください。ちょうど子守唄のように、これを何度も何度も繰り返しなさい。そして、「富」という一語とともに眠りにつきなさい。その結果、あなたはびっくりすることでしょう。富は、なだれのごとく豊かにあなたのところに押し寄せてくるはずです。これが潜在意識の魔術的な力のもう一つの例です。
あなたは金持ちになる権利があります。あなたは豊富な生活を送り、幸福で輝くばかりで、自由であるためにこの世にうまれてきているのです。ですから、充実した幸福な富裕な生活を送るに必要なだけのお金はじゅうぶん持てるはずです。
お金についてのへんな考えや迷信は、いっさい、あなたの心の中から一掃しなければなりません。お金を悪いものだとか、きたないものだというふうに考えては絶対いけません。自分の非難するものは失うことになるのだということを忘れないでください。あなたは自分の非難するものを引きつけることはできません。
お金を増殖する体験をするための簡単なテクニックを紹介しましょう。次の言葉を一日数回用いてください。「私はお金が好きだ。私はお金を愛する。私はお金を賢明に、建設的に、思慮深く使います。お金はたえず私の生活を循環しております。私はお金を喜んで手離し、それはすてきなぐあいに何倍にもふえて私のところにもどってきます。お金はよいものです。実によいものです。お金は私のところになだれのように豊富に流れてきます。私はそれをよいことだけに使います。私は自分の利益と、私の心の富に感謝します。」
昔の同級生たちのことを悪く考え、彼らの富を呪いますと、そのことは自分が祈り求めている富や繁栄が消えて飛び去ってゆく原因になります。その人は自分が祈り求めているその物を呪っているのです。
投資についての知恵を求める場合や、あるいは自分の株式や債券について心配するようなときは、静かに「無限の知性が私の経済的取り引きのすべてを支配し見張っております。そして私のやることは何でもうまくゆきます」と断言するのです。これをしばしばやっておりますと、あなたの投資は賢明なものになることがおわかりでしょう。更に、あなたは損をかぶる前に証券や手持株を売るような気持ちになるので、損をすることから保護されましょう。
次の言葉を毎日肯定して、あなたの心の中に書き込みなさい。「私は自分の潜在意識の無限の富と一体です。豊かで幸福で成功者になるのは私の権利です。お金は私のところに、自由に豊富に絶え間なく流れてきます。私は永久に自分の真の価値を意識します。私は自分の才能を自由に発揮します。そして金銭的にも私はすばらしく恵まれます。それはすてきなことです。」
彼は、いくつかの真理を、一日何回も肯定することを始めました。特に夜、眠りにつく前と朝、目を覚ましたあとにやりました。これが潜在意識に考えを吹き込むいちばんよいときなのです。
彼が肯定した内容は次のようなものでした。「私は自分の潜在意識が記憶の倉庫であると悟ります。私が読んだり先生から聞いたことすべて覚えておきます。私は完全なる記憶を持っております。そして、潜在意識の中の無限の知性は、筆記試験であれ口頭試験であれ、どんな試験のときも私が覚えていなければならないことをすべて私に示してくれます。私はすべての先生、すべての級友に愛と善意を放射します。私は心から彼らに成功とよきことを祈ります。」
彼は絶えず、先生や母が自分の学業上の成功を祝してくれるところを想像しています。
想像力を豊かにしなさい。心の中で自分が現実に成功した状態にはいりなさい。それを習慣としなさい。毎晩、成功感にひたり、完全に満足して眠りにつけば、最後には、自分の潜在意識に成功の考えを植えつけることに成功します。自分は成功するように生まれついていると想像してください。そうすれば、あたたの祈るように奇跡が起こります。
あなたの潜在意識は記憶の倉庫です。完全な記憶を得るためには、しばしば次のように肯定しなさい。「私の潜在意識の無限なる知性は、いつでもどこでも、私が知らなければならないことすべてを私に示してくれます。」
あなたの潜在意識は時間も空間も超越しております。もう答えは得ているのだと信じて眠りにはいりなさい。答えは未来にあると仮定してはいけません。あなたがこの本を読んでいるいま、自分は答えや完全な解決を得たのだと確信してください。
あなたが祈ることを決心すれば、いかなる災害も悲劇もあなたには起こらないでしょう。あらかじめ定められ、予定されていることは何もありません。あなたの精神的態度、つまり、あなたの考え方、感じ方、信じ方があなたの運命を左右します。前にすでに述べた科学的な祈りによって、あなたは自分自身の未来を形づくり、創造することができます。人はどんな種をまこうと、そのまいたものを刈り取るのです。
睡眠は心の平和にも体の健康にも不可欠なものです。睡眠不足は、いらだち、憂鬱、精神病のもとになることがあります。あなたは八時間の睡眠を必要とします。
もしあなたが小説や劇や本を書いていたり、発明にとりかかっているならば、夜に潜在意識に話しかけなさい。そして、その知恵や知性や力があなたを導いて、理想的な劇や小説や本を示してくれたり、どんな問題にも完全な解答を示してくれるのだと、大胆に断言しなさい。このように祈っていますと奇跡が起こります。
妻あるいは夫を自分の思うように変えようとしてはなりません。この試みは常に愚かです。そして、相手側の誇りや自尊心をこわしやすいのです。更にこれは反抗心を生み、結婚の絆にとって致命的なことになります。相手を自分の再版本みたいなものにしようとすることをやめなさい。
いっしょに祈れば、いっしょにとどまります。科学的祈りはどんな問題も解決します。あなたの妻を、あるべきように、すなわち楽しく、幸福で健康で美しいものとして心の中の絵に描きなさい。あなたの夫をあるべき姿に、つまり、頑丈で力強く、愛情あって調和的で親切な人として見なさい。この心の絵を持ち続けなさい。そうすれば、あなたは調和と平和である天国でなされた結婚生活を体験なさることでしょう。
自分はどんな弱点にも打ち勝てるのだということを明らかに悟ったその日に、つまりあなたの潜在意識はあなたの問題を解決し、体を癒し、どんな奔放な夢でも及ばないぐらい繁栄させてくれるのだとあなたが悟ったその日に、真の、また恒久的な幸福があなたの人生に訪れるのです。
幸福は心の状態であります。聖書に「汝の仕えるこの日を選ぶべし」という言葉があります。あなたには幸福を選ぶ自由があります。
聖パウロは、どのような考え方をすれば力強く幸福な生活にはいれるかについて、次なような言葉で説きあかしております。「最後に、兄弟たちよ、徳というものがあるとすれば、また褒むべきことがあるとするならば、何にてもあれ、真なるもの、正直なるもの、正しきもの、純粋なるもの、愛すべきもの、よき名のあるもの、これについて考えるべし。」
さあ、幸福を選ぶことを始めてください。やり方は次のようにします。朝、目を開いたら、自分にこう言います。「神の秩序は、今日もどの日も私の体の世話をみてくれます。今日あらゆることがいっしょになって、私のためになるように働いてくれます。今日は、私にとって新しい、すばらしい日です。こんな日はほかにないでしょう。私は一日中、神の導きを受けることでしょう。そして、私のやることはすべてうまくゆきます。神の愛が私を取り囲み、私を抱擁し、私を包み、私は平和に前進します。善いこと、建設的なことから私の注意がそれる場合は、私は直ちに自分の注意を、愛すべきもの、良い名のあるものを考えることに連れもどします。私は精神的磁石であって、私を祝福し繁栄させるものをすべて自分に引きつけるのです。私は今日、自分がやることすべてにおいて、すばらしい成功をおさめるでしょう。私は一日中、絶対に幸福でおります。」
あなたが生きている世の中は、大部分、あなたの心の中で起こることによって決定されることを悟りはじめてください。偉大なローマの哲学者であり賢人であったマルクス・アウレリウスは、「人の一生とは、その人が人生をいかに考えたかということである」と言っています。アメリカ第一の哲学者エマソンも、「人とはその人が一日中考えていることだ」と喝破しております。あなたが自分の心の中に習慣的に抱いている考えは、現実の姿をとって実現する傾向があります。
真相はと言えば、幸福とは、心の、精神の一つの状態なのです。
日中、危惧の念や怒りの念が頭に浮かぶと、彼は自分に向かって、「平和と調和と落ち着きが、常に私の心を支配するのだ」と言い聞かせました。
彼は自分に影響を与えるのは、けっして人が言ったりやったりすることではなくて、問題はその言われたことやなされたことに対する自分の反応なのだという単純な真理に目覚めました。
「私は愛情を込めて、静かに、平和に考え、話し、行動します。私を非難し、ゴシップをまきちらしている女の子たち全員に対して、いま、愛と平和と寛容と親切さを放射してやります。私は自分の考えを、平和と調和と万人への善意の上におきます。私が否定的に反応しようとするときは、いつも、自分に向かって断固としてこう言い聞かせます。『私は自分の内なる調和と健康と平和の原理という見地から、考え、語り、行動しようとしています』と。創造的知性は、すべての点で私を導き、支配し、案内してくれます。」
他人の言うことやすることは、あなたさえしっかりしておれば、あなたを苦しめたりいらいらさせたりすることは実際上できないものです。他人があなたを苦しめることのできる唯一の方法は、あなた自身の考えを通じてのみそうできるのです。たとえば、あなたが怒った場合、それには、次の四つの段階があなたの心の中で起こらなければならないのです。まず、あなたは他人の言ったことについて考えはじめます。あなたは腹を立てることに決め、怒りの感情を起こします。それからあなたは行動することに決めます。そして、口ごたえしたり、同じような反応を示したりすることになるでしょう。考え、感情、反応、行動という四段階が、すべてあなたの心の中に起こることがおわかりでしょう。
あなたが感情的に成熟してきますと、他人の批判や立腹に対して悪い反応をしなくなります。そんなことをするのは、その人の低次な精神活動の状態にまで自分が下がりいって、他人の否定的雰囲気といっしょになることを意味するでしょう。いっしょになるなら、あなたの人生の目的といっしょになりなさい。他人だとか、地位だとか、出来事などによって、あなたの内なる平和感や平静や、輝くばかりの健康を乱すようなことがあってはなりません。
すべてを理解することはすべてを許すことです。
いつまでもあたなの理想に忠実でありなさい。あなた自身の平和や幸福や成功に役だつことは何でも、必然的にこの地球上のすべての人の祝福になるにちがいないことを、明確に、絶対的に確信しなさい。部分の調和は全体の調和です。というのは、全体は部分の内にあり、部分は全体の内にあるからです。聖パウロも言うように、あなたがすべての人に果たさなければならない義務は愛です。そして、愛とは、健康と幸福と心の平和の法則を実現することです。
もしあなたが万一まちがって腐った食物を食べたとしても、生命はあなたを許し、あなたを維持するためにそれを吐かせます。手をやけどした場合も、生命原理は水ぶくれや充血を消し、新しい皮膚や組織や細胞を与えてくれます。生命はあなたに対して何のうらみも抱きません。常にあなたを許してくれています。もしあなたが協力して自然と調和した考え方をするならば、生命はあなたに健康と活力と調和と平和を取りもどしてくれます。
自然の力は悪いものではありません。それがよい結果を持つか悪い結果を持つかを決めるのは、その人の用い方です。
「あなたはいま、以前よりも大きな理性と理解を持っています。許すということはあなた自身を許すことです。許すということはあなたの考えを、神の調和の法則に合わせることなのです。自己断罪は地獄（束縛と拘束）と呼ばれ、許すことは天国（調和と平和）と呼ばれます。」
他人を許すことは、心の平和にも、輝くような健康にも、欠くべからざるものです。もしあなたが完全な健康と幸福を欲するならば、かつてあなたの感情を傷つけた人をみんな許さなければなりません。あなたの考えを神の法と秩序に調和させることによって、あなた自身を許しなさい。まず他人を許してからでないと、ほんとうに自分を完全に許すことはできません。自分を許すことを拒絶することは、精神的傲慢か無知以外の何物でもありません。
愛するということは、あなたが相手に健康や幸福や平和や喜びや、その他もろもろの人生の恵みを祈ってやることです。たった一つの前提は、それをまじめにやるということです。あなたは人を許すときに、心が広くなっているというわけでなく、ほんとうのところは利己的になっているのです。というのは、他人のために祈っていることは、ほんとうはあなた自身のために祈っていることなのだからです。その理由は、あなたはそれを考え、それを感じているからです。あなたの考え、感ずるところ、それがあなたです。これほど簡単なことがありえましょうか。
「私は某々（相手の名前を言う）をすっかり気前よく許します。私は精神的に彼を解き放してやります。私は例の件に関したことをいっさい、完全に許します。私は自由で彼（または彼女）も自由です。すばらしい気分です。今日は私の大赦の日です。私はいままで私を傷つけたすべての人を放免してやります。そして、みんなに健康と幸福と平和ともろもろの人生の恵みを祈ります。私はこのことを気前よく、喜んで、愛情込めてやります。そして私を傷つけた人のことを思い出したら、私は『私はあなたを放免してやったのだ。そしてすべて人生の恵みはあなたのものだ』と言ってやります。私は自由であなたも自由です。実にすてきです。」
解答は問題の中に含まれております。答えはどの問題にも含まれています。もしあなたがむずかしい状況にいて、進むべき道がはっきりしないときにやるいちばんのいい方法は、自分の潜在意識に内在する無限の知性は、すべてを知り、すべてを見、答えを持ち、それをいまあなたに示そうとしているのだと思い込むことです。創造的な知性が幸福な解決をもたらしてくれようとしているのだという新しい態度をとれば、その答えが見つかるでしょう。そのような心の態度は、あなたのすることすべてに対して秩序と平和と意味をもたらしてくれるのだということを安心して信じてください。
ソクラテスは彼に向って言いました。「水に頭をもぐらしていたときに空気をほしがったくらい知恵を欲するならば、君は英知を得るであろう」と。
これと同じように、ほんとうにあなたが自分の生涯の中の障害となるものを克服したいという強烈な願望を持ち、それから抜け出す道があり、その道こそ自分が行きたい道であるというはっきりした決断に達するならば、栄光と勝利は確保されたことになります。
「私はこの恐怖を克服しようとしています。いま、私はそれを征服するところです。私は落ち着きと自身をもって語ります。私はくつろいで気楽にしております」
精神的な性質や力について疲労や老齢を予知することはけっしてできません。忍耐、親切、真実、謙遜、善意、平和、調和、兄弟愛などは老朽化することのない属性であり、性質です。もしもあなたが、これらの諸性質をこの地上の生活でつくりだし続けるならば、あなたは精神的には常に老いることがありません。
老齢は悲劇的な出来事ではありません。いわゆる老化の過程は実際には変化です。人生の各局面は、それぞれ終わりなき道へ向かう一歩なのですから、それは喜び勇んで歓迎されるべきものです。
「雇い主の中には、私が四十を超えていると言っただけでも、面前でピシャンとドアを閉めんばかりの人もいます」と私に言ってくる人が、男にも女にもおります。雇い主の側におけるこういう態度は、冷たく、非常で、悪質で、同情にも理解にも全く欠けていると考えられるべきです。重点が置かれているのは若さだけ、つまり、考慮してもらうためには三十五歳以下でなければならないというわけです。この背後にある考えは確かに非常に浅薄です。もし雇い主側がちょっと考えてみるならば、男も女も自分の年や白髪を売り物にしているのでなく、彼らが提供しようとしているのは、人生という市場で多年の経験により身につけた才能と体験と知恵なのです。
あなたが六十五歳であろうと九十五歳であろうと、自分は与えるべきものをたくさん持っているのだということを悟ってください。あなたは若い世代を落ち着かせてやったり、彼らに忠告や指示を与えることができます。あなたは自分の知識や経験や知恵の恩恵を与えることができます。あたなたはいつも前向きでいることができます。というのは、四六時中あなたは無限の生命を見ているわけですから。あなたは、いつまでも、自分が生命のすばらしさと驚異を発見しつづけられることに気づかれるでしょう。一日中いつも何か新しいものを学ぼうとしなさい。そうすれば、あなたの心はけっしてふけないことがわかるでしょう。
生命を肯定しなさい。死を肯定してはいけません。幸福で、はれやかで、成功していて、平静で、強力な人間としての自分自身のビジョンを持ちなさい。