何気ない当たり前の平凡のなかにある素晴らしさ
何気ない当たり前の平凡のなかにある素晴らしさに気がついていないことが多いと再認識しました。
だから、多くのものが与えられているにもかかわらず、
不平と不満でいっぱいになってしまうのでしょう。
その何年も前の、産經新聞の31面に掲載されていた記事を読んで
当たり前になりすぎてその当たり前に感謝できない情けなさを痛いほど味わいました。
まず、産經新聞の夕刊の夕焼けエッセーで反響を呼んだ
『わたしの願い』
(大阪府岸和田市東光小6年森琴音さん12才
3歳のときに不慮の事故で、一命をとりとめたものの
低酸素脳症の後遺症で肢体不自由になり話すこともできなくなってしまった。)
を全文載せます。
わたしの願い 森琴音
◉わたしの願い◉
わたしは しゃべれない 歩けない
口が うまく うごかない
手も 足も 自分の思ったとおり うごいてくれない
一番 つらいのは しゃべれないこと
言いたいことは 自分の中に たくさんある
でも うまく 伝えることができない
先生や お母さんに 文字盤を 指でさしながら
ちょっとずつ 文ができあがっていく感じ
自分の 言いたかったことが やっと 言葉に なっていく
神様が 一日だけ 魔法をかけて
しゃべれるようにしてくれたら・・・
家族と いっぱい おしゃべりがしたい
学校から帰る車をおりて お母さんに
「ただいま」って言う
「わたし、しゃべれるよ!」って言う
お母さん びっくりして 腰を ぬかすだろうな
お父さんと お兄ちゃんに 電話して
「琴音だよ!早く、帰ってきて♩」って言う
2人とも とんで帰ってくるかな
家族みんなが そろったらみんなで ゲームをしながら
おしゃべりしたい
お母さんだけは ゲームがへたやから 負けるやろうな
「まあ、まあ、元気だして」って わたしが 言う
魔法が とける前に
家族みんなに
「おやすみ」って言う
それでじゅうぶん

ご両親は、本人の気持ちをいつも
聞くことが怖かったそうです。
なぜなら、
聞いても叶えてあげられないことばかりだったら本人も親もつらいから。
でも、
この詩を読んで、
はじめて本人の胸の内からあふれる言葉の数々を知ったそうです。
でも、しゃべれるようにしてほしいはずなのに、
たった一日だけの魔法でもいい・・・。
また、魔法がとける前に、「おやすみ」って言う。それで じゅうぶん・・・。
いろいろなことを我慢をしている。
お父さんは、
口ではしゃべれないけど、
もっともっと こころの言葉で しゃべり合いたい と言われたそうです。
琴音さんの大好きな言葉は 『笑顔』
この琴音さんの好きな言葉は、「笑顔」だそうです。
リハビリで緊張すると顔がこわばるし、体もこわばるし、
悪循環なので、顔がこわばらないようにスマイルしてスマイルしてって、
ずっと言われてきているんですとお母さんの談。
そして、笑顔を繰り返すことで、
笑顔が自分のものになったらしい。
そして、自分が笑顔でいるとまわりも笑顔になることを知って、
琴音さんはいつも笑顔を絶やさなくなったそうです。
お父さんは、最後に、普通に会話をしてしゃべれる幸せ。
言葉って、すごく大切なことですよねと語った。
琴音さんも、最後に、「言葉って、大事なもの」と、
文字盤を使って語ったそうです。
今ほど、親子の間の会話、夫婦の会話、
いろいろな人との会話やコミュニケーションが乏しい時はないと言われています。
しゃべることがないのではなく、しゃべるのがじゃまくさいという風潮があります。
でも、「言葉って大事なもの」っていう琴音さんの一番伝えたいことを、
わたしたちもきっちりと受け止め、笑顔の輪を広げていきたいと強く思いました。