© 産経新聞 京王線の車内で、警戒活動にあたる警備員(京王電鉄提供)
 

東京都内の京王線の車内で昨年10月、ハロウィンで仮装していた男による傷害事件が発生したことをふまえ、京王線を運営する京王電鉄は、ハロウィン期間中の仮装での乗車を控えるよう、ポスターなどで注意喚起している。

 

また、ハロウィンの影響で渋谷駅など沿線で多くの人出が見込まれることをふまえ、同社は29日から危機管理レベルを最上位の「厳重警戒体制」に引き上げて、テロ行為や暴漢などへの警戒を強化する。

© 産経新聞 ハロウィンの期間中、仮装での乗車を控えるよう呼びかけている京王電鉄のポスター(京王電鉄提供)
 

京王線では昨年10月31日、新宿行き特急電車の車内で、米国の映画「バットマン」の登場人物である「ジョーカー」の仮装をしていた男が乗客を刃物で切りつけた上、ライター用のオイルをまいて火をつける事件が発生。男女17人が重軽傷を負った。

 

また、今年7月にも京王八王子駅で、カマを持った状態で改札に入ろうとした男が取り押さえられる事件も起きた。

 

これらの事件を教訓に、京王電鉄は10月24日から11月11日までの期間を「テロ・暴漢対策強化」と位置づけ、車内の非常用設備などのPRグッズを京王線の主要駅で配布。

 

さらに、国土交通省の指針に沿って3段階に設定している危機管理レベルについても、10月29日から31日まで最上位レベルに引き上げる。

 

この3日間は警備員も増員して巡回を強化し、車内での警戒活動にもあたる。

 

 

 

 

 

同社は利用者に対し「(ほかの)乗客の皆さまへの不安をあおらないよう、(ハロウィン期間中の)仮装での乗車はできるだけ控えてほしい」と呼びかけている。

 

京王電鉄では昨年10月の事件以降、有料座席指定列車「京王ライナー」で警備員による警戒添乗を行っているほか、令和5年度末をめどに、全車両を対象にリアルタイム伝送機能を持つ防犯カメラの設置を完了する予定。