再掲載  幻の「吉野宮」、有力候補地の宮滝遺跡と万葉集 奈良・吉野町 | 「ポートレート スタジオ ファイン」 =「ファイン メディア コンテンツ ジャパン」

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朝日新聞社
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奈良時代の聖武天皇らが訪れた「吉野宮(吉野離宮)」の大極殿や正殿の可能性もある大型建物跡が、奈良県吉野町の宮滝遺跡で見つかった。

 吉野町役場から国道169号を10分ほど走り、吉野警察署宮滝駐在所の前で町教育委員会の中東洋行さんと合流した。

宮滝遺跡の史跡エリアは駐在所の南側に広がる。建物跡の出土場所は埋め戻されているので、一見するとよくわからない。

 宮滝遺跡は飛鳥~奈良時代の複数の天皇が訪れた吉野宮の有力候補地とされ、戦前から調査が続けられてきた。「1930年の最初の調査は、奈良県としても初めての大規模な発掘調査だったのではないでしょうか」と中東さん。発掘を指揮したのが、後に県立橿原考古学研究所の初代所長になる末永雅雄氏だった。

 今回、建物跡は吉野川から数十メートルの場所で見つかった。今は木が生い茂り、川が見えないが、戦前までは川と対岸の集落まで見渡せたという。

 川沿いに立つと、万葉集にも詠まれた象山(きさやま)がそびえ、眼下には吉野川が流れる。飛鳥・奈良時代には雄大な景色が広がっていただろう。

 宮滝遺跡は史跡公園として整備される予定で、今年度も発掘調査を行う。過去の調査で見つかった土器の整理も昨年から再開した。「調査を継続して、遺跡の全容解明につながれば」と中東さんは言う。