【ワシントン=黒瀬悦成】米国防総省ミサイル防衛局は17日、日米が共同開発しているイージス艦搭載型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」による大陸間弾道ミサイル(ICBM)迎撃実験に成功したと発表した。SM3ブロック2AによるICBMの迎撃実験は初めて。

 米国はICBM迎撃システムとして、米本土のアラスカ州や西部カリフォルニア州に地上発射型迎撃ミサイル(GBI)を配備している。海上のイージス艦から発射されるSM3ブロック2Aが実用化されれば、北朝鮮などからのICBM攻撃をにらんだ本土防衛能力と抑止力が各段に向上することになる。

 迎撃実験の成功は、先月行われた朝鮮労働党創建75周年の軍事パレードで新型ICBMを公開した北朝鮮の金正恩体制を牽(けん)制(せい)する材料にもなりそうだ。

 実験は、太平洋のマーシャル諸島クエジェリン環礁の実験施設から発射されたICBMに見立てた飛翔体を、ハワイ北東沖に展開していたイージス駆逐艦「ジョン・フィン」が衛星システムからの情報に基づきSM3ブロック2Aで迎撃し、飛翔体を破壊した。

 SM3ブロック2Aは三菱重工業と米レイセオン・テクノロジーズが共同開発している。

 ミサイル防衛局のヒル局長は声明で「重大な成果であり、開発計画の重要な一里塚となる」と強調した。