© 毎日新聞 提供 京都・祇園の花見小路=京都市東山区で
 

 京都市観光協会は、2020年9月のデータ月報を発表した。市内の約4割をカバーする64ホテル計1万4921室を対象とした調査によると、延べ宿泊客数は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で落ち込みが続くものの、19年同月と比べた減少の割合が4カ月連続で改善。特に日本人の延べ宿泊客数の改善が著しく、政府の旅行需要喚起策「Go Toトラベル」の効果がうかがえる。

 

 日本人の延べ宿泊客数は19年9月比で23・9%減と8月(48・2%減)より大幅に改善し、94・7%減まで落ち込んだ5月以降、「V字」に近い回復で前年の約8割の水準まで戻ってきた。

 

市内の感染者が減少し、「トラベル」の効果や9月下旬の4連休が追い風となった。

 

一方、外国人の延べ宿泊者数は99・7%減の821人と、ほぼゼロの状況が6カ月連続で続く。

 

 総延べ宿泊者数は61・7%の減。客室稼働率は49・9ポイント減の33%だったが、8月(22・8%)からは10ポイント以上の大幅に改善した。半面、調査対象のホテルのうち、6店舗は9月も全日休業した。

 

 市観光協会によると、「トラベル」に東京都内発着の旅行が10月1日から追加され、日本人宿泊者数は引き続き回復が見込まれる。

 

ただ、秋の観光シーズンのピークとなる11月後半の3連休を過ぎると、宿泊予約サイトの客室販売価格の水準は下落傾向にあり、冬の需要獲得のため早い段階から価格競争をしているとみられるという。

【矢倉健次】