宝塚歌劇団に想う。
女性だけの歌劇団はよいけれども・・・・
客層を、男女、上下、内外、もっと広げたら、宝塚歌劇団が、
今以上に有名になる。
2020年8月 改定版
2021年12月 再改訂版
2022年4月 3改訂版
2023年2月 4改訂版
2023年10月 5改訂版
2024年1月 6改訂版
宝塚歌劇団が強烈なコアのファンによって支えられているのは、長期的に見れば、長所ではなく、短所ではないかと私は思う。
お贔屓の男役スターを、何回も観劇し、どこまでも追っかける、強烈なファン(おばちゃん)が、宝塚歌劇団観客の中核にいるらしい。
ファンクラブについては、外部からはわからない。
すごい組織力、統率力らしく、ビジネスとしても見習った方がいいと男たちの話題になった。
歌劇団のチケットの仕組みもわからない。
チケットが手に入らなかったり、席がよくなく、オペラグラスどころか望遠鏡で見る状態だと、普通の人は観劇しないと思う。
2014年に宝塚100周年のテレビ大広告を、宿泊していた京都のホテルで見て、宝塚に行ってみることにした。
桜満開の花の道を撮影、宝塚大劇場のピンクの内装に驚き、手塚治虫記念館と宝塚市の宝塚記念館(旧宝塚音楽学校)などを散策した。
当日は火曜日の夕方、翌日は水曜日の休演日、鑑賞はできなかった。
東京に帰りプレイガイドでチケットを購入、東京宝塚劇場の
「100周年記念公演」と渋谷のヒカリエで観劇した。どちらも最後の数席だった。
東京宝塚劇場で、100周年記念公演で、大人数での日本舞踊と、100人のラインダンスを見て、演じている若い女性の元気が伝わってきた。
女性が宝塚歌劇団に夢中な理由が観劇してわかった。
私は2017年に池田市の「阪急文庫」で、小林一三先生の著作数冊を数時間で速読した。
先生が宝塚歌劇団を創立した狙いと、後継者に託したことを、阪急全体の経営戦略の中で、
理解したような気がする。
小林一三先生の劇団創立時方針に戻すことが、
宝塚歌劇団がコロナ禍で生き残る道、
劇団内部のゆがんだ人間関係、私設ファンクラブの対立から生徒を救う道だと思う。
新型コロナの状況で、歌劇団の経営安定を図るためには、緻密な戦略の策定が必要だと思う。
意外にしっかりした演劇内容の蓄積があること、
演技の内容(芝居・歌・ダンス)も高度なことを、
ごく最近になって知った。
小林先生や宝塚関係の著書によると、
小林先生自身は日本の昔話を題材にした作品、
菊田一夫先生は恋愛ドラマを創作、
パリのムーランルージュなどのレビュー・ショー、
ニューヨークのブロードウエーのミュージカルを、
お手本にしたと書いてある。
老若男女が楽しめるショー・レビュー・ミュージカルを目指したが、宝塚歌劇団は女性観客が中心になった。
かつて日本には、日劇ダンシングチーム(東京有楽町)、松竹系のSKD(東京浅草)とOSK(大阪)があった。
松竹は東京と大阪の両方でダンシングチームを経営していたが、採算的に無理だった。
全部潰れて、阪急が経営する「宝塚歌劇団」のみが残り、熱狂的な女性ファンが支えた。
廃業の危機を救ったのが1974年だと思うが「ベルサイユのばら」の大ヒットだった。
OSKは大阪で再建されている。
宝塚歌劇団は、先輩・後輩、成績順で、男役トップ、二番手、娘役トップに、役柄が集中し、立ち位置も固定。
路線は全く不明でわからない。
男尊女卑の歌劇団、主要配役とその他大勢、
主要ダンサーとバックダンサー、それほど実力差はなさそうだが・・・
京都の花街=祇園の舞妓・芸妓の社会の方が、「をどり」で役柄は分散、新人舞妓でも前列や中央で踊ることもある。
知らない人が多いだろうが、「日劇ミュージックホール」は、日劇の一部として小林一三先生が開設した。実務は「丸尾長顕」にやらせて、裏で総監督をしていた。
「日劇ミュージックホール」には1980年代~90年代は、ほぼ毎月、合計数十回は鑑賞している。
日本劇場の上にあったが、解体された後は、
旧「東京宝塚劇場」の上に移転された。
旧「東京宝塚劇場」の建て替えの数年前に廃業する。
「日劇ミュージックホール」に客はかなり入っていた。「宝塚歌劇団」に男性客を統合しようとしたのかは不明。
東京宝塚劇場の1階真正面は、
女性観客ばかりで、男性は入るべきでないと考えて、一度も入ったことはなかった。
適度に息抜きをしながら、お堅い仕事をするのは、当然なこととされていた。
「日劇ミュージックホール」では、誰にあっても、まったく問題はなかった。
仕事と余暇のバランスが重要。
大人の精神的な息抜きであり、男の目の保養は、まったく問題がない。
有名作家などの芸術家が脚本を書き演出した。知名人が楽屋まで応援に来ていた。
「日劇ミュージックホール」は階段を上って、(エレベーターの台数が少なかったと記憶)上の劇場へは何回も行っている=上っている。まだ階段を登る元気な頃だった。
ストリップではなくショーなので、ごく普通に観劇していた。はとバスの「夜の東京」コースにも組み込まれていた。
私としては、東京宝塚劇場の内部だけではなく、通行の邪魔をして、周辺にまで集まっている女性たちのほうが、異様に思えた。
宝塚であれば、日比谷と違い、知り合いに会うことはないので、安心だった。
東京宝塚劇場ではなく、宝塚大劇場など宝塚の本拠地で、一度観劇してみようかと決断した。実現したのは1~2年後になった。
宝塚歌劇団について感心することは、古今東西、さまざまな種類、時代、場所のコンテンツの蓄積があることだ。
若い女性だけで演じているので、宝塚流に内容を変えている場合もあるが、世界の名作を演じたり、オリジナルの物語をよく演じている。
私は還暦をすぎ、第1の人生を卒業して第2人生になってから、はじめて宝塚歌劇を観た。
観客も9割以上が女性で、女性の比率は予想以上だった。
東宝のルーツは東京宝塚劇場か?
宝塚歌劇団は阪急電車の経営だから、
宝塚歌劇団と東宝との交流は少ないのか?
宝塚歌劇団の卒業生は、もっと芸能界で活躍できると、私は思う。
女性だけの歌劇団はよいけれども、
客層を男女、上下、内外、
もう少し広げたら・・・
歌劇団の生徒は、ファンサービスをよくやっていると思う。
宝塚歌劇団は宝塚大劇場で、「全国の修学旅行生を誘致し、ファンの若返り、ファン層の拡大を図っています。」と、宝塚歌劇団の人がおおまじめに言っていた。
私は、日本や世界の富裕層を狙うべきだと思ったが、口にはしなかった。
男性顧客も含めて、観客の拡大を図るべきだと思った。
入場券の販売方法も、売り上げ実績になっているらしく、特定の人が有利になって何回も観劇。
本来ならば、同じ公演で初回の人を優先にしないと、同じ観客が何回も観劇することになる。
私設ファンクラブもわからない。
S席の一番後ろばかりなので、観劇に行くことはやめて、ときどきスカイステージを短時間見る程度になった。YOUTUBEの短さがいい。
京都の花街の「をどり」は、男性のほうがやや多く、それなりの人々で、黒塗りの車も数台止まっている。
富裕層の観劇者が多い。
最近は若年層も増えてきた。
外国人も多くなった。
同じ旅行で宝塚歌劇団に行くと、女性ばかり。
富裕層の奥様方のお遊びならばいいのだが、
若い地方在住の熱狂的なファンもいて、追っかけをしていて、大丈夫なのかと心配になることも・・・
宝塚大劇場では、修学旅行生の獲得に務めている。
富裕層らしき人は少ない。
外国人は皆無。
売り切れのはずなのに、生徒の関係者が知り合いに買ってくれと、売っているらしい。
男性は1割未満。
かなりラフなかっこうをしており、業界人か?
宝塚大劇場と東京宝塚劇場では、東京のほうがスーツ姿が多い。
歌劇団のファンクラブについては全く分からない。
女性スターが男性を演じて、その演じられた虚像の男性に、女性がなぜ夢中になるのか?
男役は理想の男性を演じることに努力をしているようだ。
20歳代は女性にとって、もっとも楽しい年代。普通の女性は男性と恋愛するだろう。
舞台公演で男性を演じるだけでなく、劇団外でもずっと男性を演じているようで、かわいそうに思う。恋愛禁止ではないらしい。
必ず来る退団後、
演劇、映画、テレビ、司会、歌、踊りなどの仕事をする場合、
女優は女性を演じるので、
男役であっても、女性の魅力を
表現できたほうがいいだろう。
世界の中の日本文化の紹介、演劇による国際の親善という観点で、宝塚歌劇団、阪急電鉄、日本の演劇界を評価した場合、
小林一三先生は現在の宝塚歌劇団の状態をどのように感じられるであろうか?
女性だけの歌劇団はよいけれども、
客層を男女、上下、内外、もう少し広げた方がいいと宝塚歌劇団の経営基盤の安定のために思う。
熱狂的な女性ファンには申しわかないが、
一つの公演を熱狂的なファンが何回も見るために、一般人は公演を見ることができない。
社会的知名度・影響は限られてしまう。
宝塚歌劇団内部のいじめは
ものすごいらしい。
噂は聞いていたが、自殺者まで出てしまった。
ひいきの生徒を応援するのはよいが、
ライバルの生徒の悪口をネットでかき、
誹謗中傷するのは見苦しい。
演じている生徒の卒業後の第二の人生は、
芸能界で活躍している人は少ない。
YOUTUBEに残っていた過去の名作の映像は、著作権の関係からか、2022年に大量に抹消された。
宝塚歌劇団を独断と偏見で判断すると、
杜けあき、大地真央・黒木瞳コンビ、天海祐希、檀れい・・・が優秀に思える。
宝塚退団後の進路は、結婚も含めて、個人の選択だろう。
天海祐希や黒木瞳が芸能界で活躍しているのは、基本的には演技がしっかりしているからだろう。
退団してもスミレコードは守るのか。女優魂の方が重要だろう。
このころの宝塚歌劇団が、
時代としては最高であったのではないか。
宝塚歌劇団を、「一般女性の夢の世界だけ」にしておくだけでは、もったいないように思う。
男女に関わらず職業の基礎訓練として、もっとも重要な20歳代を、「男になりきるためだけに生きている。」のでは、その後の「芸能人としての飛躍は難しい。」のではないか。
女性だけの歌劇団はよいけれども、
客層は繰り返して観劇する、コアな女性ファンだけではなく、
男女、上下、内外、もっと広げたほうがよいだろう。
私は、歌劇団のためにも、生徒のためにも、長期的に見れば、プラスになるだろうと思う。
現在の日本の現状を鑑みれば、
海外にも映像を公開・販売して、
日本文化を世界に情報発信することが、極めて重要だと思う。