★1963年東京プラモSDXはとバス月光仮面 五十嵐平達 ~ プラモデルコレクションから 027 | ポルシェ356Aカレラ

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★TMS2024年7月号 No.990
通巻1000号まであと10号に迫ったTMS(鉄道模型趣味誌)の最新号(税込定価1000円)はこのティンバートレッスルの何とも感動的な画像に釘付けとなり思わず本屋さんで手にしたという向きも多いことと思います。3000本以上のケーディーのメタル製ナット ワッシャー&ボルトを植え込んで組み上げたというカーブに設置されたティンバートレッスルだけではなく、4410㎜×10715㎜の1/87スケール16.5㎜のアメリカ型レイアウトは全てハンドスパイクでダブルスリップに至るまで自作で作られているということに驚愕した読者も多いことと思います。この大レイアウトを1人で造り上げた(樹木類等の準備が進んでおり、まだまだ進化中とのこと)、鹿児島在住のT氏は今年77歳だそうですが終活とはいまだに無縁で現在も新製品を予約しているとの話にも勇気付けられますが、この大レイアウトを含め大量の鉄道模型なども引き継いでくれる後継者も居て、将来の心配もなく安心して趣味生活を謳歌できる環境にあるということなのかもしれません☆☆







★閑話休題
今回は、ビンテージプラモデルのコレクションから東京プラモの1/36スーパーデラックスはとバスをご紹介します☆☆☆



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●1963年スーパーデラックスはとバス 本カタログ(A4判・日本語3つ折6面+)
SDXはとバスのB5判3色刷りの両面チラシはよく見掛けますが、この3つ折のカタログは非常に少なく本物はいまだに一度も見たことがありません(手許にある画像のカタログは残念ながら復刻版)。4代目社長・渡辺伊之輔氏の「皆様、ようこそおいで下さいました。」で始まる挨拶文からすると、1963(昭和38)年にSDXはとバスが完成した際に新車発表会の類が開催されたとの話は聞かないため、SDXはとバスが投入された際の初期の遊覧コースに乗車した人に配られたものなのでしょうか。はとバスに乗車した一般の人が貰っても、このカタログが有用とは思えないため、SDXはとバスが完成した際に営業所等で一般に配られたものという線が濃厚でしょうか。


渡辺社長の挨拶文


A・Bの2タイプ造られたうち、上が自動車史/自動車文化史研究の第一人者・五十嵐平達氏(1924年-2000年)がボディデザインを担当したことで有名なAタイプ:通称「月光仮面」、下はダイヤペット159番でミニカーファンには古くからよく知られたBタイプ:通称「金魚鉢」。


概説


各部解説


前面


外部側面


運転席


図面/スペック


Aタイプ月光仮面「図面」


スペック




●稼働中の1963年 三菱ふそうAR470SスーパーデラックスはとバスAタイプ「月光仮面」
1964年7月10日 講談社発行、講談社のカラー百科第5巻「じどうしゃ」16頁より転載。珍しいSDXはとバスAタイプの稼働中のカラー画像。今しも外国の老夫婦が乗り込もうとしています。




【1963年 三菱ふそうAR470Sスーパーデラックスはとバス 実車 主要スペック】 (1963 Mitsubishi Fuso Super Deluxe Hato Bus Type.AR470S)
全長10800㎜・全幅2480㎜・全高3000㎜・ホイールベース5400㎜・車両重量9800kg・エンジンDD34型ターボチャージャー8550cc・最高出力220ps/2300rpm・エアサス・冷暖房完備・4ヵ国語同時放送可能テープレコーダー搭載・乗車定員40名+乗員2名・ボディデザイン:五十嵐平達氏(Aタイプ)



●東京プラモ1/36スケール1963年三菱ふそうAR470Sスーパーデラックスはとバス 主要事項

・製品名: スーパーデラックスはとバス
・東京プラモ製品番号: キットNo.2000
・発売時期:1966(昭和41)年4月10日(1966年2月15日発行「東京プラモ ニュースNo.1」の記載)
・当時定価: 1500円(2000円バージョンもあり)
・全長: 300㎜(実車比1/36.0スケール)
・全幅: 70㎜ (実車比1/35.4スケール)
・部品総数: 264点(シャシー関係143点、ボディ関係121点)
・動力: 電動(単3電池4本使用)
・箱サイズ: 縦323×横413×厚さ60㎜
・入手難易度:10段階評価で8程度(ヤフオク出品数:年1個程度)
・2024年現在のビンテージプラモデル市場での評価額: 15万円程度(未組立美品の場合)



●1966年2月15日(火) 東京プラモ ニュースNo.1(B5判・白黒・両面印刷)
国産プラモデル史研究の第一人者・明石小五郎氏のプラモ史記事によると、木製ソリッドキットの栄工社~プラモデル黎明期の三和模型~三和倒産後の東京プラモ~東京プラモ倒産後のサンキットは全て社長は高橋英夫氏であり、日本模型新聞には1966(昭和41)年7月15日以降は東京プラモの広告は掲載されていないものの東京プラモの倒産時期は不明とのこと。このニュース第1号が2月発行で僅か5ヵ月後の7月発行の日本模型新聞が最終広告となると東京プラモが存在した期間は1年にも満たない短期間だった可能性があります。


はとバスは4月10日発売予定と記載されています。


裏面はスロット用モーター付シャシー入り自動車「ホンダF-1」等各種(小売価格200円は安過ぎるため誤記?)と家庭用スロットレーシングセット(4500円)の広告。




●2024年6月9日(日)終了ヤフオク 30万1000円で落札された東京プラモ1/36スケール1963年三菱ふそうAR470Sスーパーデラックスはとバス
このプラモは1980年代から2万円程度の高値が付いていたものの、これまでは高くても10万円を少し超えた程度だったのが、箱の状態が並以下にも関わらず一気に30万円超えとなり驚きました。


箱はかなり傷んでいます。。


輸出仕様箱(ヤフオク出品画像より転載)




●東京プラモ1/36スケール1963年三菱ふそうAR470Sスーパーデラックスはとバス
手許にあるキットは上掲の30万円超えで落札された個体よりは若干箱の状態は良いですが、箱は少なからず傷んでいます。このプラモは現存する個体の大半(稀に良い状態のモノもあり)は巨大な箱に傷みが見られる印象です。


プラモの大きさや部品点数が箱上面に記載されています。はとバスの箱絵にはK.Hashimotoのクレジットが見られます。


実車を正確にスケールダウンしている点等の「特徴」も箱上面に記載されています。


箱横の長辺には国会議事堂・東京タワー・二重橋・銀座という東京名所のカラー写真。


箱横の短辺


箱の中にはボディ等のパーツ以外に組立説明書とB5判のはとバスのカラーチラシが封入されています。はとバスのカラーチラシ入りということは、(株)はとバスのオフィシャル・プラモでもあったということなのかもしれません。


キットに封入された、はとバスのチラシ(B5判・両面1枚)


裏面は、はとバス営業所の案内




264点に及ぶパーツ。


前後グリル、バンパーのメッキパーツ


白成型のボディ


タイヤ6個(後輪ダブル)、セメダイン3個


モーター、エアーサスペンション用のスプリング等


組立説明書(B5判・4つ折・8面)












単3電池4本を入れて走らせます。




●サンキット1/32スケール高速ハイウェイバス「ブルーコメット」(箱サイズ:縦235×横420×厚さ65㎜)
東京プラモ倒産後の1967年頃に東京プラモのはとバスの金型を流用して販売されたキット。箱絵ではヘッドライトが格納式のように見えますが、はとバスと同じヘッドライトのパーツが入っています。キット名はこの頃、ブルーシャトーを大ヒットさせたジャッキー吉川とブルー・コメッツから取ったのでしょうか。当時、小2の私もブルーシャトーの替え歌をよく歌っていたことを思い出します。キットに付属するシールはブルーコメットではなくブルースター(BLUE STAR)となっており、はとバスの版権が使えず何とか別名のバスにデッチ上げて市販したという印象です。東京プラモのはとバスでは正確だったスケール表示1/36が何故か1/32に変わっています。


成型色は青系に替わっています。




箱に記載のブルーコメットではなくブルースターのシール入り


ヘッドライトやグリルは、はとバスのパーツのまま。


東京プラモのはとバスキットとの比較。箱の横幅はほぼ同じで縦方向は10㎝弱程度小さくなっています。




●1963年三菱ふそうAR470Sスーパーデラックスはとバス「月光仮面」のブリキ玩具3種との並び
3社で競作されたブリキの月光仮面と東京プラモの並び。ブリキは大きい順に1/23米澤玩具(全長約47㎝)、1/27マルサン商店(全長約40㎝)、1/31野村トーイ(全長約35㎝)。何れも現存数の少ない稀少モデル。最も出来が良いのはマルサン製で、月光仮面をデザインした五十嵐平達氏もリアルタイムでマルサン製を購入され、五十嵐氏のカタログ等のコレクションと共にかつては山中湖高村美術館(2004年秋閉館)に展示されていました。













●1963年SDXはとバス月光仮面のブリキ3台のトミカとの大きさ比較

米澤玩具(全長約47㎝)


マルサン商店(全長約40㎝)


野村トーイ





※1963年スーパーデラックスはとバスの実車カタログについては2013年3月16日の自動車カタログ棚からシリーズ第121回記事をご参照ください。






★オマケ(その1): 鉄道ピクトリアル7月号別冊 国鉄形車両の記録「キハ17系気動車」(B5判・197頁)
株式会社電気 鉄道図書刊行会 発行の新刊。税込定価2550円。キハ17と言うと、小学生の頃に買ったエンドウの16番鉄道模型キハユニ18が現在も手元にあり、懐かしさもあって迷わず購入。ゆっくり熟読します。


八ヶ岳をバックに有名な撮影名所を走るカラーがそそります。


奥付


エンドウの16番キハ17・キハ18(中間車)・キハユニ18との並び。自由型以外で最初に買った16番は、何を隠そう1969年・小4の時に買ったキハユニ18で今年2024年で既に55年も手元にあることになります。





★オマケ(その2): MINT GT新製品 1/64ポルシェ911GT3RS 左ハンドル(白/赤ストライプ)
税込定価2200円。品番630。TLVより安価ながら、よく出来ています。個人的には911はこのようなリアウイングの付いた派手なGT3やターボよりもシンプルなノーマル・グレードの方が好みです。








★オマケ(その3):今日のビートルズ「Nowhere Man」 1966
気付けば口ずさんでいる、ソラで唄えるビートルズの1曲。


1966年武道館公演の演奏☆