★1960年萬代屋 ルノードーフィン Dauphine ~ ブリキ自動車コレクションから 132 | ポルシェ356Aカレラ

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★オリンピック開会式
7月23日(金)夜のオリンピック開会式は意外に良かったとの声が多いようです。極暑の東京では日中に長時間の開会式を決行したら大勢が倒れてしまう可能性が高いため少しでも涼しい時にということなのか、海外でのリアルタイム配信を考慮したのか、夜遅い時間帯に行われて驚きました。夜はいつも9時か10時には寝ちゃうよーという早寝早起きの人や小さな子供は見られないという問題もあったのではないでしょうか。


★変異株
首都圏では変異株による感染爆発が起こりつつあり、私の場合、まだワクチン未接種のため「混んだ電車通勤でデルタ株に感染して死にたくない」という気持ちと恐怖心が実はかなり強くあります。やはり、ワクチン接種を7割位の人が終えるまでは国が幅広くライフライン関連業種以外の事業者や法人に業務停止命令を出し首都圏だけでも外出禁止令=ロックダウンをして欲しいというのが偽らざる心境であったりもします☆☆


★閑話休題
今日は「ブリキ自動車コレクションから」シリーズ第132回記事として、萬代屋(現バンダイ)の1960年ルノードーフィンをご紹介します。国産旧車好きの人には、「何じゃらホイ?(笑)」的な興味が湧かない車種となり申し訳ないのですが、本ブログでは日本車に限らず出来るだけ幅広く古いブリキの自動車をご紹介していきたいと思います☆☆☆


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★ルノードーフィン (Renault Dauphine)
1946年(昭和21年)10月、戦後間もないパリサロンでルノー4CVがデビューしてからちょうど10年を経た1956年(昭和31年)、4CVと同じ機構/RRレイアウトのまま一回りボディもエンジンも大きくしたルノードーフィンがデビューします。モノコックボディ、前後サスペンション、リターンスプリング付きのラック&ピニオンステアリング、温風式ヒーターなどの機構は4CVをそのまま踏襲しつつ、4CVの全長3663㎜/750ccエンジンがドーフィンでは300 ㎜長い全長3940㎜、エンジンは100cc大きい850ccエンジンとされています。全長の延長によりフロントのトランクは大幅に広くなり、また車体が大きくなったため4CVの4人乗りがドーフィンでは5人乗りとされています。
ルノー4CVは1953年(昭和28年)~1963年(昭和38年)までの10年に亘り日野自動車がライセンス生産したため日本でもお馴染みですが、ドーフィンは日本で見かけることは稀なクルマでした。ところが、ドーフィンはフランス本国で生産された数の約半分は輸出され、また、フランス本国のみならずスペイン、イタリア、ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、オーストラリア、イスラエルなど多数の国でライセンス生産もされています。1956年~1968年までの12年間に215万738台のドーフィンが生産され、アメリカではVWビートルに次ぐ輸入車シェア2位を数年に亘り堅持しています。日本では馴染みが薄いものの世界的には多くの人々の記憶に残る車といえるのです。
ドーフィンのバリエーションとしては1957年よりチューニングの魔術師ゴルディーニ(Gordini)が主に吸排気系をチューンしたドーフィン・ゴルディーニ(生産累計18万台)、1961年~1963年の2年強のみ造られた内外装の装備を充実させたデラックス・バージョンのオンディン(Ondine)、1962年~1963年にかけて2140台が造られたモータースポーツ用ホモロゲーションモデル「R1093」(49hp・最高速度140㎞/h)が存在します。なお、最後の2年、1967年と1968年は高性能版のゴルディーニのみが生産されています。


★ルノードーフィンの年式識別ポイント
12年も製造された割に大きな内外観の変更はされておらず、以下のようなホイールでの識別となるようです(ホイールが替えられている場合は外観での識別は困難)。

1)1956~1957年: ルノー4CVと同じ5本足の星型ホイール
2)1958~1962年: よく見ないと判らない薄い穴4つが外周に等間隔に並ぶホイール
3)1963~1968年: ルノーR8と同じ換気孔8つが等間隔に並ぶホイール


★ラリーでの活躍
ルノードーフィンについては4CVや後年のルノー8以上にラリーで活躍したことが特筆されます。コルシカ島で行われている1956年のツール・ド・コルス(Le Tour de Corse-Rallye de France)では以下の通り当時の高性能スポーツカー群を抜き何とドーフィンがワンツーフィニッシュを飾っています。一流ドライバーの起用もさることながら、ドーフィンのクルマとしての基本性能の高さ、素性の良さを証明しています。

【1956年ツール・ド・コルス リザルト】 (括弧内はカーナンバー)
1位)ルノードーフィン850(#9)
2位)ルノードーフィン850(#2)
3位)ポルシェ356カレラ(#51)
4位)アルファロメオ・ジュリエッタSVZ(#56)
5位)メルセデスベンツ300SL(#66)
6位)ポルシェ356カレラ(#50)



●ルノードーフィン実車カタログより

欧州アルプスにて


R8と同じ8穴ホイールの1963年式


ドーフィンと水辺で戯れるカップル♡


リアビュー


縦列駐車


フロントトランクフードは前ヒンジの後ろ開き


スペアタイヤはフロントナンバー裏に格納


バリエーション


運転席




ラリー


1959年ルノードーフィン・ゴルディーニ 広報写真



●1960年東京港区虎ノ門のルノードーフィン大使館車両
三樹書房2008年8月10日発行「60年代 街角で見たクルマたち~ヨーロッパ車編」増補新訂版・初版103頁より転載。撮影:浅井貞彦氏。右ハンドルのドーフィン。後方の工事中の建物はどこでしょうか。左後方にプリンススカイラインと思しき車のテールフィン、工事中のビル手前に観音開きのクラウンが確認できます。




【1960年ルノードーフィン 実車主要スペック】 (1960 Renault Dauphine Specification)
全長3940mm・全幅1520mm・全高1400㎜・ホイールベース2270mm・車重620kg・RR・水冷直列4気筒845cc・最高出力26.5ps/4250rpm・最大トルク5.75mkg/2000rpm・変速機3速フロアMT(1速ノンシンクロ)・乗車定員5名・燃料タンク容量32ℓ・燃費15.4㎞/ℓ・ 最高速度108km/h


【萬代屋(現バンダイ) 1/20スケール1960年ルノードーフィン ブリキ製モデル玩具 主要データ】 (1/20scale 1960 Renault Dauphine by Bandai-ya Tinplate model Toy KEY DATA)

・商品名: RENAULT Dauphine(外箱の印字)
・萬代屋 製品番号(製品管理番号): No.786
・主要素材: ブリキ
・全長: 200㎜(実車比1/19.7)
・全幅: 77㎜(実車比1/19.7)
・全高: 70㎜(実車比1/20)
・ホイールベース: 121mm(実車比1/18.8)
・スケール表記: なし
・箱サイズ: 縦82×横210×厚さ72㎜
・動力: 後輪フリクション
・カラーバリエーション: クリーム、レンガ色、赤 等
・その他のバリエーション: 左フェンダー上のアンテナ有無
・シャシー再現: なし
・発売時期: 1960年(昭和35年)12月頃
・販売価格: 不明(萬代屋788番アルファロメオジュリエッタスプリントと同じ都内150円前後と推定)
・入手難易度: 10段階評価でレベル6~7程度
・2021年現在のアンティーク・トイ市場での推定評価額: 2.8~4万円程度 (箱付未使用美品の場合)


●萬代屋(現バンダイ) 1/20スケール1960年ルノードーフィン (クリーム色・アンテナ付・箱付美品)
当時の玩具業界誌に広告等の関連資料が見当たらないものの、元箱に印字された3桁の製品番号786が1960年暮れ発売と推定されるアルファロメオジュリエッタスプリントの製品番号788と僅か2番違いのため、両者は同時期の発売と推定できます。ドーフィンは萬代屋が「世界の自動車を集めましょう」のキャッチフレーズで世界中の車の製品化を進めていた時期の製品の一つ。地味で売れなかったのか萬代屋の同時期の他の車種と比べ現存数は少ない印象があります。
















手前は全長90㎜1/43Solido(Verem)製ルノードーフィンPOLICE仕様






1958~1962年の4つ穴ホイール




室内プリント。ダッシュボードの意匠は割合正確にプリントされています。


シャシー裏


RENAULT DAUPHINEの浮彫




●萬代屋(現バンダイ) 1/20スケール1960年ルノードーフィン (クリーム色・アンテナなし・箱付美品)
まんだらけオークションの画像より転載。上掲と同じクリーム色ながらアンテナなしのバージョン。同じ萬代屋のマツダR360クーペの標準サイズのアンテナ付が輸出専用だったようにアンテナ付は輸出用でこのアンテナなしがデフォルトだったと思われます。




●萬代屋(現バンダイ) 1/20スケール1960年ルノードーフィン (レンガ色・アンテナなし・箱なし美品)


















●萬代屋(現バンダイ) 1/20スケール1960年ルノードーフィン 集合!
ミニカーは全長90㎜の1/43Solido/Verem。ドーフィンはヒット車だっただけにミニカーはリアルタイム物から近年の物まで沢山出ています。















概ね同スケールの1960年日野ルノー4CV(米澤玩具製・全長190㎜)との並び。








●1962年ルノードーフィン・ホモロゲーションモデル「R1093」動画






★オマケ(その1): TCNトミカ2021年7月新製品UDトラックス クオン オートバックス レーシングチーム AGURITRUCK
2021年7月24日(土)発売新製品。税込770円。2005年の刻印がある日産ディーゼル時代の古い金型を使ったバリエーション。白地にARTAの黒い文字を入れただけで通常品の1.5 倍の価格は高く、企画としても少々つまらない感じがします。それでも発売当日の取扱店は炎天下にも関わらずソーシャルディスタンスを保ちつつ長蛇の列となっており、せっかく並んだのだからと考えて1人当り制限台数の3台購入(大汗)。




フロントにはUDタンポ



★オマケ(その2): AEON限定トミカ2021年7月新製品トヨタアルファード グァム警察仕様
これも2021年7月24日(土)発売新製品。税込定価770円。これまた限定品としてはつまらないなあという印象の製品。個人的には和モノ好きのため、限定品として警察車両を出すなら日本の各県警パトカーなどを出してもらった方が嬉しい気がします。アルファードはあまり人気がないのか18時過ぎにイオンに行ってもまだ山積みになっていました。








★オマケ(その3): 今日のビートルズ「Michelle」 1965
今回はフランス車ということで、今日のビートルズはこの曲♡♡