★2013年 ポルシェ911GT3 50年目の911 ~ 自動車カタログ棚から 168 | ポルシェ356Aカレラ

ポルシェ356Aカレラ

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★例えばの話ですが、以下の3つの選択肢から1つだけ選ぶとしたら、あなたならどれを選びますか?

1)2012年レクサスLFA (トヨタ製)・・・・・ 最高速325km/h 消費税込3750万円
ボディカラー白を1台のみ無償で進呈(1台計3750万円相当)


2)2013年ポルシェ911GT3 (991型)・・・・・ 最高速315km/h 消費税込1859万円
ボディカラー白と赤を1台ずつ計2台を無償で進呈 (2台合計3718万円相当)


3)2013年ニッサンGTRプレミアムエディションR35 (日産製)・・・・・ 最高速310km/h 消費税込978万円
ボディカラー白・銀・青・赤を1台ずつ計4台を無償で進呈(4台合計3912万円相当)


★市販価格で比べるとレクサスLFAはポルシェ911GT3の2台分より32万円高く、ニッサンGTRの4台分に近い高額車です。3択の中でトータル金額ではニッサンGTRの4台分が最も高価となり、ポルシェ911GT3の2台分が最も安価です。
なお、条件としては何れを選択した場合でも駐車場や維持費は別途無償にて提供されることとし、遊休車両を有料で他人に貸し出すことは禁止とします。友人等に無料で車両を貸し出すことは全く問題ありません。また、転売は一切不可とし車両を現金化することは出来ないという条件でどの選択肢を選ぶか考えてみることとします。

トヨタ・日産よりもポルシェの方がブランドとして好みであるという場合には、選択肢は2)のみとなります。私のようなポルシェびいきの場合には2)以外には選択肢がありません。
トヨタ党であればLFA、日産党であればやはりGTRでしょうか。世の中にはGTRの本物を色違いで4台位持っている方がもしかすると現実にいるかもしれません。しかし、そもそもレクサスLFAが僅か10km/hの最高速の差でポルシェ911GT3の2倍以上、僅か15kmの差でGTRの4倍前後の価格であることに疑問を感じてしまうのは私だけでしょうか。


★1963年(昭和38年)9月のフランクフルトショーで最初のポルシェ911がデビューしてから今年2013年は記念すべき50年目の年。そのアニバーサリーイヤーに新型ポルシェ911GT3(991型)がデビューした。GT3は996型の911で設定されたNAエンジン(ターボチャージャー等を使用しない自然吸気エンジン)を搭載したサーキットに最も近いポジションにある911であり、前代の997型を経て、現行991型に移行した。
新型GT3のエンジンは3.8LのカレラS用をベースとしながらレブリミット9000rpmという超高回転型で従来型より40psも高い475psの出力を発生する。一度体験すると他のクルマには乗れなくなってしまうような911伝統の剃刀の刃のように鋭いエンジン回転の上がり下がりの速さ、驚異的にシャープなエンジン・レスポンスは勿論健在。

★新型991GT3のトピックは、ついにマニュアル・トランスミッションと決別し、デュアルクラッチ式の2ペダル7速PDK(ポルシェ・ドッペルクップルング)のみの設定となったこと。PDKが選択出来るのではなく、マニュアルの設定自体がなくなったこと。これは、即ち人間がマニュアル操作するギアチェンジよりPDKの方が確実に性能が上回ることによる決定。旧き良き時代のスポーツカー愛好家には、マニュアルでないスポーツカーなんて考えられないといった意見もあるに違いない。しかし、ポルシェは自らが長い歴史の中で生み出してきたそのようなマニュアル愛好家たちの存在やスポーツカーというものの歴史を十分理解した上であえてマニュアルとの決別を選択した。
更に特筆すべきトピックとしては、80km/h以上での高速走行時には後輪を前輪と同方向に動かし、50km/h未満の低速走行時には後輪を前輪と逆方向に動かして回転半径を小さくし運動性能や安定性を高める「アクティブリアホイールステアリング」を装備したことが挙げられる。電子制御のリア・ステアリングは複雑なハイテクメカだが、乗ってみても俄かには気づかないようなレベルにまで仕上げられている。
ニュルブルクリンクでのラップタイムは997型の911GT3よりも15秒も速い7分25秒を叩き出し、0~100km/h加速は従来型の4.1秒から一気に3.5秒へとコンマ0.6秒も短縮された。
ボディサイズは997型のGT3よりも全長が118mm伸び、全幅は44mmワイドとなり、車重は35㎏増の1430㎏となった。全幅の拡大については日本の狭い公道上では例え10㎜でも狭い方が有利であり、決して歓迎できることではない(ある程度は慣れの問題であるとしても)。外観上は固定式のリアウイングとフロントの巨大な開口部がこのクルマがただ者ではないことを否が応でも周囲に認知させる。
ポルシェ911GT3は、元々はクラブスポーツ・レーシング用として製作されたモデルであったが、市販車では純然たる公道走行も想定したモデルであり、カーナビを始めとする現代のクルマに付く常識的な装備は全てが揃っている。
GT3のノーマル911カレラより約5割増という価格は決して安くはないが、GT3の2台分を超える価格のレクサスLFAとの比較でも判るように充分にValue for Moneyと言えるクルマではないだろうか。

【主要スペック】 2013年 ポルシェ911GT3 (991型)
全長4545mm・全幅1850mm・全高1270mm・ホイールベース2455㎜・車重1430kg・RR・水冷水平対向6気筒4バルブ3799cc・最高出力475ps/8250rpm・最大トルク440N・m/6250rpm・変速機7速PDK・乗車定員2名・最高速315km/h・0~100km/h加速:3.5秒・国内販売価格1859万円(消費税込)


●2013年ポルシェ911GT3 日本語版本カタログ(縦17×横24.5cm・92頁)
$ポルシェ356Aカレラ-表紙
中頁から
$ポルシェ356Aカレラ-中(1)
$ポルシェ356Aカレラ-中(2)
$ポルシェ356Aカレラ-中(3)
右下に911 50周年の文字
$ポルシェ356Aカレラ-中(4)911の50周年
$ポルシェ356Aカレラ-中(5)
$ポルシェ356Aカレラ-中(6)
$ポルシェ356Aカレラ-中(7)
エンジン
$ポルシェ356Aカレラ-中(8)エンジン
$ポルシェ356Aカレラ-中(9)ハンドル
リアアクスルステアリング
$ポルシェ356Aカレラ-中(10)後輪ステア
$ポルシェ356Aカレラ-中(11)
透視図
$ポルシェ356Aカレラ-中(12)透視図
$ポルシェ356Aカレラ-中(13)
スピードメーターは350km/hまで
$ポルシェ356Aカレラ-中(14)ダッシュボード
$ポルシェ356Aカレラ-中(15)シート
$ポルシェ356Aカレラ-中(16)
$ポルシェ356Aカレラ-中(17)
ボディカラーは14色も選べる
$ポルシェ356Aカレラ-中(18)カラー14色
$ポルシェ356Aカレラ-中(19)
スペック掲載箇所
$ポルシェ356Aカレラ-中(20)スペック1
$ポルシェ356Aカレラ-中(21)スペック2
$ポルシェ356Aカレラ-中(22)スペック3



★オマケ(その1): ミニチャンプス 1/43スケール 2013年ポルシェ911GT3
ポルシェ特注品。品番WAP 020 000 OD。カタログは非売品で入手がなかなか難しいが、ミニカーはポルシェのディーラーに行くと販売されているのでカタログよりも遥かに入手は容易。ちなみにこのミニカーを1台買うから一緒にGT3の実車カタログも欲しいとディーラーで頼んでも、まずカタログは貰えない。ポルシェのプレミアムカーのカタログを集めることには結構苦労します。
$ポルシェ356Aカレラ-ミニチャンプス(1)
$ポルシェ356Aカレラ-ミニチャンプス(2)
$ポルシェ356Aカレラ-ミニチャンプス(3)


★オマケ(その2): 2013年ポルシェ911GT3 オフィシャル動画