★1969年 三菱ふそう 国鉄東名ハイウェイバス つばめバス ~ 自動車カタログ棚から 122 | ポルシェ356Aカレラ

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★帰省する際などに新幹線など他の交通機関より安価な高速バスを利用する という向きも多い。例えば新幹線で東京~大阪間は2時間30分程度の乗車時間で普通席13240円だが、高速バスでは8時間以上も時間はかかるが夜行であれば一晩車内で寝ているうちに朝到着して料金は5000円前後からと高速バスは新幹線より8000円以上も安い。最近はマイクロバスを使用する事業者で東京~大阪往復1万円以下なんていうのもあるようだ。ただし、高速バスの場合、ゴールデンウィーク、お盆期間中、年末年始など道路が渋滞する時期は到着時間が読めないのがネックではある。

★1969年(昭和44年)5月26日に東京~小牧間346.8kmの東名高速道路が全線開通したことに伴い、同年1969年6月1日より日本国有鉄道自動車局(国鉄バス)により東京~名古屋間の東名ハイウェイバスの運行が開始された。開業当初の運行便数は1日43往復であった。

★国鉄バスでは、東名ハイウェイバス開業当初より、一般的な観光バスよりも出力を上げるなど高速バス定期運行のための特注車両を導入した。エンジン出力のみならず運転席回り(メーターパネル・パイロットランプ等)も国鉄専用に統一した仕様/意匠で造られ各メーカーの標準型とは少々異なっていた。これらのバス車両は「国鉄専用型式」と称されたが、観光バスそのものの進化/出力アップと共に後には通常の観光用車両が使用されるようになった。


★★開業当初の国鉄東名ハイウェイバスの型式 (計4形式)

(Ⅰ) 三菱B906R(国鉄型式744形・1969年・62台導入その後1979年まで80台増備)
自然吸気V型12気筒で、出力350ps。搭載された12DC20型エンジンは、200psのV型6気筒エンジンを2つ連結したもので、実馬力は400psとも言われ、当時の開発担当者は「乗用車を追い越して平気で走れる車両だった」と回想している。ボディ製造は富士重工。主に昼行便に使用されたが、1970年代半ば以降は、排ガス規制の関係からエンジンは自然吸気V型10気筒の10DC6型に変更された。(今回はこの車両のカタログを掲載します)

(Ⅱ) 日野RA900P(国鉄型式747形・1969年・49台導入)
既に日野RA100Pに搭載されていた水平対向12気筒320psのDS120型エンジンをチューンアップしたDS140型エンジンを搭載し自然吸気で出力350ps。公称最高速は141km/h。ボディ製造は帝国車体。水平対向エンジンを採用しており、最後部座席の「ひな壇」がなく、室内スペースを有効に使用できることからシートピッチが860mmと他の車輛よりも30mm程度広く全て夜行便に導入された。センターアンダーフロアエンジンの実績を持つ日野らしくラジエターをフロントに置くのが特徴。

(Ⅲ) 日産ディーゼルV8RA120(748形・1969年・27台導入その後1979年までに29台増備)
日産ディーゼルとしては珍しかったV型エンジンを採用した。2サイクルUDV型8気筒で、小排気量9.9リッターで出力340psを叩き出し2サイクルエンジンの強みを発揮した。UDエンジンは掃気のための機械式スーパーチャージャーが必須であるため本形式のみ過給器を装備した。1970年代半ば以降は騒音・排ガス規制により4サイクルV型10気筒 350psのRD10型エンジンに変更された。ボディ製造は富士重工。

(Ⅳ) いすゞBH50P(741形・1969年・2台)
自然吸気 V型8気筒エンジンをいすゞが新規に開発し出力は公称330psだったが、国鉄が試験を行った結果は320psとなり国鉄の性能試験をクリアすることが出来ず2台のみの導入に終わった。全輪ディスクブレーキが採用されたもののブレーキパッドの消耗が激しいなど難点があり当時の国鉄は不採用とした。ボディ製造は川崎航空機。

【主要スペック】 1969年三菱ふそう高速バスB906R (国鉄型式744形)
全長11255mm・全幅2490mm・全高3000mm・ホイールベース6400mm・車両重量11390kg・12DC20型V型12気筒19910cc・最高出力350ps/2400rpm・最大トルク120kgm/1200rpm・変速機:前進4速+OD・車内トイレ付・乗車定員40名(補助席を除く)・最高時速140km/h

●1969年6月発行(?) 三菱ふそう高速バス総合カタログ (A4判・8頁)
形式B905N・B905N-SA・B906Rの3形式を収載したカタログ。このうち、B906Rが東名高速バスに導入された国鉄型式744形バス。カタログ上の最高速140kmは楽に出たと言われ、実際に当時の並の乗用車を軽く抜ける性能のバスだったようだ。
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※裏面スペック
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★オマケ(その1): ダイヤペット266番(B-16番) 1/50スケール 1969年三菱ふそう国鉄ハイウェイバス
1972年3月発売製品。当時定価2200円。室内の手間のかかった羽毛シートとズッシリとしたダイキャストの重量感が魅力的なミニカー。後にダイキャスト素材が変更されて軽くなった。国鉄ハイウェイバスは当時トミカ41-1番としても発売された・・・どこに仕舞い込んだか判らなくなり今回トミカの写真はアップ出来ませんでした(汗)。
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★オマケ(その2): 大阪交通科学博物館に保存されている東名高速バス「ドリーム号」 (国鉄型式744形)
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●動画・・・・・といっても動かないバス