5/5(日・祝)温故知新 お久し振りの京都の旅 2日目~その4~ | ちいたろうのお出かけ日記

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 臥雲橋を渡っていると、新緑の向こうに建物が見えました。あれがこの寺の名所の一つ、通天橋だとわかるのはもう少し後のこと。そして、あれを渡るのにはお金がいることもわかり、ここも「まぁ、いいか」と諦めてしまったのです。


 東福寺の巨大な本堂や三門からは、この寺がいかに力をもっていたかを想像させます。いにしえの京の都は、さぞ華やかなところだったに違いありません。


 南大門のところまで来ると、門の下を車が通り抜けています。どうやらここは市道らしいのですが、門は桃山時代の建築で府指定有形文化財。京都という街では、数分歩けば文化財に出会える。そんな気がします。


 通りに出たところで、「伏見稲荷大社まで徒歩15分」と書かれた看板を見かけました。
「なぁんだ、歩いて行けるのか」
電車に乗るつもりでいたのですが、徒歩15分なら許容範囲です。
 通りの向こうから、祭礼の行列がやって来るのが見えました。神輿を大きく揺さぶっているところまで行くと、それ以上進めません。私が神輿のそばまで行くと、ちょうど神輿を台の上に置くところでした。リーダーらしい人が神輿の位置を、「もう少し南へ」とか「もうちょい西」といった具合に指示しているところがなんとも関西らしい。確かに、右だ左だと言われたら、誰から見てなのか、どこから見てなのかがわかりません。ですが東西南北なら、間違えることはないでしょう。


 後ろの方には、なんと本物の馬がいました。人間が休んでいる間、馬は道路脇の駐車場に入って休んでいます。なんと雅な祭でしょう。


 しばらく進むと、何やら臭います。よく見ると、アスファルトの上にはバラバラになった馬糞が落ちていました。そりゃあそうです。生き物なのですから、仕方ありません。
 伏見稲荷大社に近づくと、あちこちに外国人の姿が目立つようになりました。参道や境内では、外国の言葉が飛び交っています。お土産やさんの店先にも、英語で案内が書かれていました。ここは日本なのに日本ではないような、不思議な感じがします。


 伏見稲荷大社で最も有名なのは、千本鳥居でしょう。朱塗りの鳥居がどこまでも続くように見えます。その光景はきっと、海外の人たちに魅力的に見えるのでしょう。京都の外国人観光客が増えているという報道を目にした記憶はありますが、ここまでだったとは驚きです。


「こんな遠くの国まで来るんだ」
 欧米諸国からすれば、日本は極東の国。それでも多くの外国人が訪れるのは、円安の影響もあるのでしょうか。海外の国に比べて、物価もそこまで上がっていないことを考えると、日本は安く行ける旅行先なのかもしれません。
 とりあえず、ここにずっといても仕方ありません。まずは京都の街中に戻ることにします。
 伏見稲荷駅13:07発の準急電車の車内は、網棚がまさに金網でできていたり、扇風機が収まっているカバーがついていたりして、
「そうそう。こうだったよなぁ」
と思うような車両。昔、自分が乗っていた電車に似ているところを見つけると、つい嬉しくなってしまうのでした。


 13:16到着の祇園四条駅で降りて、昨日の店ではなく、今日はもう一つ目星をつけておいた別の酒場に行ってみようと思います。しかし、店の前まで来ると、店内はかなり混み合っているのが見えました。落ち着いて飲めるかどうかわからなかったので、今日は断念。今年は夏にも京都に来るつもりなので、その時にまた覗いてみるつもりです。
 それならば、昨日も行きましたが、とても気に入ってしまった居酒屋たつみさんへ行くことにします。大学生っぽい若者たちにちょっと詰めてもらって、カウンターに入れてもらい、ビールを片手にあれこれ迷う至福の時間。でも、あまりたくさん飲んでしまうとこの後の旅程に差し障るので、ほどほどにしておかなければなりません。


 とりあえず、昨日食べ損ねた「たつみ特製手羽」というのをいただきます。しっかりと塩味と胡椒が効いた手羽先。これがまた、ビールにピッタリなのです。


 さらに、今日もへしこをいただきます。昨日はチーズを添えたものでしたが、今日はチーズなしのものを注文。すると、あのチーズがいかにへしこの塩味と合っていたかがわかります。何となく物足りない気がしてしまうのです。
「次に来るときは、やっぱりチーズだな」
 ほろ酔い気分で、せっかくだから莵道高等学校の定期演奏会に出かけてみることにします。祇園四条駅15:51発の準急に乗ると、先ほどのビールが効いているのか、ついウトウトしてしまい、うっかり乗り過ごしてしまいました。
 中書島駅で乗り換えて、16:55宇治駅到着。構内には「響け!ユーフォニアム」のキャラクターの看板が何枚も並び、ホームの時計の横には今年放送中の「響け!ユーフォニアム3」の広告が掲げられています。先ほどのJR宇治駅とはまったく違う雰囲気で、こちらはザ・聖地といった勢いです。


 演奏会は18:00開演なので、このまま夜ごはんが食べられないのを覚悟して、宇治橋を渡ったところにあるサイゼリヤでスパゲッティをいただきます。後で調べると、どうやらここも聖地だったようです。
 サイゼリヤ近くのバス停からバスに乗ると、車内には制服姿の高校生たちがたくさん乗っていました。きっと、友だちの演奏を聴きに行くところなのでしょう。コロナ禍以前、それはごく当たり前のことで、私も友だちの学校の演奏会によく出かけたものです。しかし、あのコロナ禍では演奏会自体が開かれず、そういったことは一切かなわなかったはず。これも青春の貴重な1ページなのでしょう。
 案の定、多くの高校生が宇治文化センターのバス停で降りました。
「あれ? どこかで見たことがあるぞ」
それもそのはず。このホールも「響け!ユーフォニアム」の聖地の一つで、最初のシーズンでトランペットのソリストを決めるオーディションをやった場所。


「宇治という街は、どこを歩いても『響け!』の聖地なんだなぁ」
そんなことを考えながらホールに入ります。


 やがて、雅楽調の1ベルが鳴り、アナウンスが入りました。そして、次の曲が始まるのです(cv.黄前 久美子)。