2/23(金・祝)キタキタ秋田になんで来た?! 1日目〜その4~ | ちいたろうのお出かけ日記

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いつかはあなたの住む街へ,行くかもしれません~♪。

 ねぶり流し館の隣にある金子家住宅にも行ってみます。

 古い商家の建物というのはそれだけでもちろん魅力的なのですが、一番気に入ったのは店先で流れていた、店の主人と客の会話です。もちろん録音されたものなのですが、秋田の方言の温かさを感じることができます。

 そういえば、ここまで来るのに秋田の方言をあまり聞いた覚えがありません。
「せっかく秋田に来たのになぁ」
 東北の方言にあまりなじみはないのですが、一年に一度くらいしか会わなかった父方の祖母が山形の蔵王の出身で、やはりあの独特の話し方をする人でした。そういった思い出のせいもあるのでしょうか。東北の方言はなんだか耳に優しく聞こえるのです。
 そろそろお腹が空いてきました。せっかく秋田に来たのですから、稲庭うどんを食べることにします。
 有名店の八代目佐藤養助が駅の近くにあるようです。
「あれ? 八代目?」
 2015年に秋田に来たときは、確か七代目だったような気がします。その時は湯沢市稲庭町にある総本店まで出かけましたが、今回は秋田市内でいただくことにします。
 久保田城跡の千秋公園に向かって歩いていると、教会の鐘の音が聞こえてきました。時刻は12時。
「教会はどこにあるのだろう」
と思って行ってみると、すぐ近くにカトリック秋田教会がありました。古い建物かと期待して行ってみると、意外と現代的な建物です。


「なぁんだ。現代的なのか」
と通り過ぎてしまったのですが、後で調べると、ここには秋田キリシタン殉教碑というのがあったようです。1624年(寛永元年)、久保田城外の刑場で32人のキリシタンが火あぶりの刑に処せられたとありました。九州からこんな遠く離れた秋田にも、キリシタンの歴史があったというのは驚きです。
 お堀端を歩いてデパートの地下にある八代目佐藤養助さんのお店に向かうと、待っていたのは私の前に1組だけ。すぐに呼ばれて、店の中に入ります。


 二味せいろにうどんを1玉追加して、だしと胡麻だれの両方でいただきます。他の地域のうどんにはないこの喉ごしも、噛んだときに広がるうどんの甘みもお気に入り。ただ、前に来たときに、温かいうどんが美味しいと思ったことに、二味せいろを注文をした後で気がつきました。これはまた、次回への楽しみが増えたのです。


 うどんを食べながら、これからの予定を考えます。
「秋田といえばなまはげだよなぁ」


 しかし、なまはげは男鹿半島の文化。秋田市内から男鹿までは、車で1時間ほどかかるようです。JR男鹿線という鉄道も走っているのですが、なまはげについて展示している、その名もなまはげ館という施設は、最寄り駅からだいぶ離れた山の中。そこまで行く公共の交通手段がありません。
 いや、正確に言えば、ないわけではないのです。しかし、あるのは前日までに予約が必要な乗り合いタクシーだけ。路線バスは通っていません。
「ここでもか!」
 空港で、秋田市内までしかバスの便がなかったのを思い出しました。空港ですらそうなのですから、山の中の施設へのバスがなくたって何ら不思議ではないのです。地方は車社会だということはわかっていたつもりでしたが、ここまでとは思っていませんでした。
 さあ、なまはげに会いに行くか、それとも市内でダラダラと過ごすか。車を借りるとなると、それなりにお金もかかります。しかし、「推しは推せるときに推せ」という言葉もあるくらいです(あるのか?)。会いに行けるアイドル……、いや、会いに行けるなまはげなら、会いに行けばいい。
 あいにく天気はスッキリとしません。こんな日は外を歩くより、車で移動してしまうというのも一つの方法でしょう。
「えぇい、ままよ!」
 ここから歩いて行けるステーションでカーシェアを予約して、なまはげに会いに出かけることにしました。
 駅近くの飲食店街のはずれにあるステーションはすぐに見つかりました。今回の相棒、MAZDA2に乗り込み、13:15にステーションを出発。コンパクトな車体で、秋田の狭い街中もスイスイ走ります。
 まずは国道7号線へ出てしばらく進むと、道の駅あきた港の手前で男鹿方面へは県道56号線を回るように案内されました。こういうときは、指示に従うにかぎります。
「そういや前にここ、通ったなぁ」
 2015年に来たときの記録には、この道の駅に寄ろうと思ったけどあまりの大きさにやめたとありました。今回もやっぱり入る気になれません。人間、中身はそう変わらないものなのです。
 まっすぐに延びる道を、ずらりと並んだ風力発電所の風車を眺めながら走ります。男鹿市内に入ると、道路脇に巨大ななまはげが現れました。これから会うなまはげに期待も高まります。
 途中にあったなまはげ館への案内看板を見て、国道101号線に入りました。走っていくと、途中に「なまはげライン」という道への分かれ道があったのですが、そこにはなまはげ館への案内が見当たらなかったので、そのまま国道を進むことにします。
 すると、この国道がどんどん細くなり、やがて緩やかな峠の山道になりました。峠に近づくにつれて、道は雪で真っ白になっていきます。
「この先になまはげ館があるのか?」
 そんな心配をしながら、前の車についてそろりそろりと走っていくのでした。