10/2(土) 3回目のお遍路 四国八十八ヶ所完全制覇の旅 2日目~その4~ | ちいたろうのお出かけ日記

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 65番三角寺まで、カーナビは高速道路の利用を勧めてきましたが、どうせひとり旅。それに、納経所の締め切りまでまだ時間はあるので、カーナビを無視して国道を進むことにします。
 これまでに難所だと思われる場所は、前回までにだいぶまわっておいたつもりでした。8月の1回目のお遍路では、12番焼山寺や21番太龍寺、60番横峰寺といったところ。10月の2回目のお遍路では、66番雲辺寺。今回は、ケーブルカーがある85番八栗寺あたりが険しいところだと思っていたのです。しかし、松山自動車道の高架をくぐると、この65番三角寺の険しさが、少しずつ見えてきました。
 住宅が建ち並ぶ中、細い道を上っていくと、やがて斜面に田畑が見られるようになりました。子どもと一緒に畑で作業する家族を見て、「のどかだなぁ」なんて思っていたのですが、道はさらに細くなり、人が住んでいる気配がなくなってきました。それでも道はまだまだ続き、そのうち林道といった雰囲気になります。前から車が来ないといいなと思う、四国の山道そのものです。
 どうにか三角寺の石段の下にある有料駐車場にたどり着きました。料金は、備え付けの箱に入れるようです。ここに来るまでにトイレに行きたくなっていたので、まずはトイレを済ませてから料金箱へ。
「あれ? 音がしないぞ」
 料金箱にお金を入れても、コトンという音がするだけで、他にお金が入っているような音が聴こえません。おかしいと思っているところへ、おじさんがやってきました。
「あの赤い車?」
と聞かれたので、
「お金は今、料金箱に入れました」
と言うと、なんと、その場で料金箱を開けて確認されました。もちろん、正しい金額を入れていたのですが、こういったところでちゃんと入れない客もいるのでしょう。そういえばこのおじさんは、私が駐車場に入ってきたときには入り口に座っていました。管理人というよりも、なんだか見張りの人のような気がします。


 こんなところに寺があったなんて。そう思うような山の中。うっそうと木が生い茂り、眺望もききません。札所がなければ、お遍路をしようと思わなければ、ここへ来ることはなかったでしょう。

 それなのに、寺の境内だけは開けているのが少し、不思議なくらいです。


 寺から少し離れると、瀬戸内海とその手前に広がる町並みがきれいに見えました。ここに来ることがなければ、この景色にも出会えなかったのです。お遍路で寺を巡るというのもご縁なのだなあと、つくづく縁というものの不思議さを感じるのでした。


 ループ橋で山を下りてしばらく走ると、香川県に入りました。つい何週間か前に、このあたりの寺を巡ったばかりです。見覚えのある場所をいくつも通り過ぎます。ここに住んだことは一度もないのだけれど、なぜか身近に感じられる。これもやはり、縁というものなのでしょう。本当はじっくりとその縁を深めていきたい気もするのですが、明日の寺巡りに備えて、今日は高松に宿をとっています。夕食が遅くなってしまうので、三豊鳥坂ICから高松自動車道に乗ることにしましょう。峠の酒まんじゅうはまた今度、食べに来ることにします。
 高松中央ICで降り、予約したビジネスホテル東宝イン高松へ向かいます。あたりは埋め立て地といった雰囲気で、まわりには飲食店が見当たりません。まあ、タクシーで1メーターも行けば飲食店くらいあるでしょう。


 西の空にギリギリ明るさが残る18:20に到着。チェックインのときにフロントで飲食店の地図をもらい、部屋に入ってするに調べてみるのですが、目星をつけた店は、今日はお休み。他に今、食指が動く店が見当たりません。
「まあ、紹介されている店の近くに、他にも店はあるだろう」
 とりあえずホテルを出てみました。さっきは気づきませんでしたが、海の方に明るい一角が見えます。もしやと思って行ってみたのですが、そこは飲食店ではなく歓楽街。ここではさすがに夕食にはありつけそうにありません。
 気を取り直して地図を確認し、一番近い琴電の片原町駅に行ってみることにします。駅の近辺なら、飲食店もあるかもしれません。この読みは大当たりで、飲食店やスナックが軒を連ねていました。
 中でも、店頭に瀬戸内セット2,000円という看板があった「三河屋」というお店に入ることにしました。店の中にはサラリーマンらしい先客が一人いただけで、しんとしています。大丈夫かと心配になりましたが、ここに決めたのですから、腹を括ることにしましょう。


 まず出されたのが、小鉢のおでん。このスジがとても美味しい。そして、刺身盛りは意外にも豪華です。このお刺身に生ビールでは物足りません。たまらず、高知の船中八策という純米酒を1合追加してもらいます。それでも550円というから、破格です。


 さらに骨付鶏がやってきました。ここで生ビールを追加します。まったくのノーチェックでしたが、こんな風に旅先で素敵な店に出会えるから、旅先での一杯はやめられません。


 ホテルへの帰りがけに、こんな時間でも開いていた「讃岐うどん えん家」さんにお邪魔します。

 こちらも先客が一人いましたが、店内は静かです。緊急事態宣言が解除されたとはいえ、客足が戻ってくるのはまだ先だということでしょうか。少し寂しい気もしますが、お店が開くようになっただけでもありがたいこと。そんなことを考えながらかけうどんをすすると、すっきりとしただし汁とモチモチのうどんが、ほろ酔いの体にすうっと染みわたっていくを感じるのでした。