昨日は小学校の卒業式でした。


息子は、こども園の1歳児からのお友達と約束した通り、カッターシャツにネクタイ、黒のスラックス。

カッターの上には、黒のカーディガン着用で出席しました。


このテイストで出席した男子児童は全部で4人。

我が家はピアノの発表会で使った服+受験で使ったカーディガンだったので卒業式に使った出費ゼロ。


お友達たちは、中学のカッターシャツとスラックスなので、ネクタイとセーターの出費のみ。

安上がり組です。



私自身は昔仕立てて貰ったしろがね色のしだれ桜柄の付け下げと、東京旅行の時に中古で1000円で購入した銀色と桜色の袋帯。

帯揚げと帯締めもサーモンピンク系をセレクト。

あるものを着て、家で着付けただけなので安上がり。


とはいえ、娘も家にある七五三の着物を着て、袴と半幅帯を買っただけなので、メインは一万円もかかっていません。

(髪飾りは一つ追加購入していますが、基本的に私の20年前のものを流用。)



そんな中、本日の卒業児童のファッションチェックの結果です。


まず、女子。

袴姿は8人。卒業生徒が70人超なので一割強。

娘の時は3人だったので、かなりの増加率。


袴姿は華やかで本当にいいですね。

「華美」「贅沢」

という意見もあるかもしれませんが、親戚に借りた着物に袴を合わせたりすれば、スーツ買うより安上がりです。


それにメリカリとかで卒業式シーズン直後に買ったらいいんですよね。



やはり卒業式用かわいい系スーツが多数でした。

今年はスカートではなくショートパンツ型もチラホラ。

中には、パンツスーツ着用、後ろで一つ括りの髪型の女の子もいましたが、残念ながら就職活動中みたいでした。


娘の年には、バレエを習っている女の子がピタッとしたズボンに黒のレザー風ジャケット。

ロングヘアをそのまま無造作に流していて、スラリとした体型やバレエやっている子独特の姿勢の良さも相まって、ダントツで格好良かったものでした。


TPO はどうなのかという点ではともかく、「これが私のオシャレ」という面では最高だと感じたものです。


女の子が体育館の壇上でお辞儀をするので、ミニスカートだと下着が見えそうでヒヤヒヤしたものですが、ショートパンツや袴の子は安心してみられました。


男子にも羽織袴が一人。

小学生男子にしてはガッシリした体型でよく似合っていました。

卒業証書授与の時に、袴姿の女の子と二人で並んだのがとってもいい感じでした。


男子では紺色スーツ上下の中に、カジュアルな柄のダボッとしたシャツを着た子もいました。


似合っていないわけではないですが、お洒落な感じを狙ったようで外したというか

…ハッキリいえば、この子は息子をいじめていた代表格なので、何を見ても私は気に入らなかったと思います。


表情からして小生意気そうだなという印象を受けました。



式ではPTA会長の挨拶が印象的でした。


よくある

「入学式では小さかったのに、6年の間に心は少しずつ、体はどんどん大きくなって…」

という内容から始まったのですが、それを言っただけで涙がこみ上げてきて、しばらく声を出せなかったのです。


何度もトライしてようやく絞り出したかすれ声は、愛情に満ちた母親の証。



旦那は帰宅後にこのことについて

「我が子への気持ち中心過ぎやろニヤリ

と言っていたのですが、私はとても良かったと思います。


PTA会長という役職は、親というカテゴリーの上にあるもの。

全員へのはなむけの言葉が、我が子への気持ちの上に広がっていて何が悪いえーと思います。


この式典会場に集まった保護者が、それぞれ自分と子どもへの関係へと昇華させて受け取れる内容です。


ありきたりな言葉は、普遍的な内容だからこそ。

気持ちが載った言葉は、人の心を動かします。


私の近くの席の女性も何度も涙をぬぐっていました。


それに比べて来賓への挨拶を一番始めに持ってきた校長の言葉は、なんと中身がなかったことか。


卒業式の後はお約束の写真撮影タイム。


息子はこども園からのお友達と肩を組んで、あっちこっちウロウロ。

このお友達のお兄さんは、娘ともこども園から一緒だったこともあり、ママさんもよく知った仲です。



そのママさんが

「やっぱり地元のこども園が良かったのかな…」

と呟きました。


小学校では当然アウェイから始まります。

ましてやウチの息子は困ったちゃんなタイプだし、お友達もクラスのスタータイプではないですから。


他の友達との関係が六年間全て順調だったわけではなかった。


ウチとその男の子ともう一人の女の子だけが、学区外の私立こども園だったのです。


その大きな理由は、保育園(こども園の長時部)の開園時間。

私立は夜8時まで。早朝保育は7時から。土曜日の保育もありました。

しかも娘の年に新築されたこども園で、遠いですが高校まであります。


一方、小学校の隣にあるこども園は夜7時まで。

働く母親にとって、一時間の差は大きい。



「でも逆に、地元中学に入ったら、こども園の時に一緒だった子がたくさんいるよ。

保護者だって久しぶりに会える人がたくさんいるはず。

それに、自分達の経験でもずっと続いている友達は、中学や高校になって人格や好みが確立されてから気があった友達でしょ?

まだまだこれからだよ。

それに、こういうことはやってみなければわからないから。

実際、地元こども園に行ったからって友達が増えたかどうかなんてわからないよ」


こども園の年長さんでも、いじめっ子タイプはいたし、どんくさいタイプもいた。


息子の1学年上の男の子は、同じこども園からたった一人でこの小学校に入りましたが、ガキ大将タイプで力関係は強く、卒業頃には小学校でもいじめっ子タイプに変貌していました。


何が良くて何が悪いかなんて人それぞれ。

同じ環境でも個性で結果は違いますから。


「少なくともこども園の先生方には良くして貰っていて、いいこども園だったと思ってる」


大事なことは、先生方からの愛情を受けたかどうかです。



うちの困った姉弟は、こども園の先生からとても愛されていました。


娘はインフルエンザ明けで卒園式に出たため(インフル大流行の年で、年長さんの半数が卒園式に出られなかった)、式典中に立ちっぱなしで具合が悪くなったのですが、他の誰よりも早く、いつもお世話になっている若い男の先生が気付いて、倒れる寸前に先生が飛び出してキャッチ。


そのままお姫様抱っこで医務室へ連れて行ってくれたため他の女性の先生から

「ぽりんちゃんの王子様おねがいピンクハート

としばらく言われていたほど。


娘のこども園の時の将来の夢は、こども園の先生でした。

それだけで、いかにいい先生方だったのかわかるというものです。


息子の担任の先生が転勤することに決まり、息子はその先生によく懐いていたため、先生が「きっき君と離れるのが寂しい」

と最後に号泣して息子を抱きしめてくれたこと。


他にも本当に先生方に愛情を注いで貰いました。


これ以上、こども園に求めるものはありません。

愛情のある先生に恵まれて、幸せな幼児期だったと思います。

これが何より大切なことだから、私は間違いとは思いません。



地元中学に行けば職場体験で、卒園したこども園も選べるのですが、うちが通う中学は、どうやら職場体験がないようです。


いつか、あの頃よりはしっかりした姿で何らかのお返しが出来たらいいなと思っています。



残念ながらそれに比べて、小学校生活は良かったとは言えません。


今回、卒業式が終わって帰宅するなり、卒業の姿を見に来ていたばぁばが息子の小学校グッズやノートの仕分けをして、捨てる段取りをしました。


そして、すぐに「ゴミ」とカテゴライズされたノートや体操服を見ても、家族の誰も惜しいと思いませんでした。


つまりはそういうことです。



小学校を放れる前に、お友達の男子と

「同じこども園だった三人で写真を撮りたい」

と話し合った息子。


しかし、残り一人は女の子。


女の子に話しかけるのが恥ずかしい年頃の男子二人は、その女の子がいるグループを少し距離をおいてずっとストーカーのように追いかけて歩いていたのですが、どちらも声がかけられない。


途中で、お友達は帰らなければならない時間も近づいてくるし、だんだん人もいなくなって来ました。


最初は気長に付き合っていたのですが、あまりにも時間が掛かるので、つい私が

「写真撮ろうって声も掛けられへんのか。

なっさけない男だのう!」

と言った声を聞いて、近くの保護者男性が笑いだしたほど。


まぁ最終的に、男子二人で声を掛けることに成功して、微妙な距離感をとって写真を一緒に撮って貰えました。


その女の子がグループから離れて応じてくれた時に、どうして声を掛けられなかったのか納得!


ハーフかと思うほど、とっても美人だったのです!


それはそれはニヤリ笑い

どうりで気恥ずかしくて金魚の糞になっていたわけです。


最後にちょっと甘酸っぱいような思い出が出来た卒業式でした。