異動の内示が出ました。
今年も希望部署への異動は叶わず。
現在の所属を出たいという希望は叶い、息子が生まれる前に勤務した部署へ出戻り決定です。
同じ役職での同じ勤務地はない、とうちの社会ではふだん言われていますが、昇任しないで戻ることになりました。
しかし私がいたコロナ禍以前より格段に、ハードでリスキーな仕事は少なく、勤務条件は良くなっていると、昨年その係の横にいた人から聞きました。
なんなら終業時間直後に、私の先任者が買い物袋を下げて帰宅の途についているという目撃談まで飛び出しました。
それはそれは
悪くないねぇ
と気を取り直しました。
ただ、公募した第一希望が叶わなかったのはまだわかるのですが…
その公募部署に、まったく欠片ほどもそこを希望していない、私の斜め後ろの席の後輩が現在業務の兼務で行くことになりました。
この後輩の旦那さんは超忙しい。
そして子どもは4人。しかも今度小学校入学の子もいて、短時間勤務をしています。
私の希望していた部署は、
月に数度は僻地に移動して夕方まで全体訓練があるので、個人的都合で帰ることは難しい
土日もちょくちょく業務あり
変人とか、曲者もまぁまぁ何人もいる
うちの会社の本来業務とはやや違う一種の技術職
なところ。
後輩の家庭環境では、純粋に時間的都合が合わない。
しかもこの技術については素人。
私より数歳若いだけで将来性はほとんど変わらないし、定年まで仕事を続けたいという意思も特にない。
しかも、まったくここに行きたいなんて思ったこともない。
という、まさに青天の霹靂な人事。
藪から棒に現れた!とでもいうべき内示で、後輩本人も
「何かの間違いでは?」
と口をあんぐり開ける状態です。
その部署を希望していて家庭環境も調整済み、この一年練習も重ねて、万端の準備で臨んでいた私は落選の事実に心の中では打ちのめされました。
今回、約2500人の中で4人がそこに配置になったのですが、唯一公募に応募していた私は落選。
私のすぐ後ろにいて、ずっと条件が悪く、行くことを考えたこともない後輩が引っこ抜かれたわけです。
最初はあまりにもの非現実感に、
「人事係が書き間違えたのか??(・_・;?」
と内示を穴が空くほど見つめ、この事実を自分に落とし込むのに10分以上かかりました。
しかしどうみても後輩の名前が書いてある。
今回、様々な「行けない条件」と「行くための条件」をクリアし、面接もさほど悪い印象を受けず、しかも他に申し込みをした人がいないのに、なぜ選んで貰えなかったのか。
性格面で落とされた、もしくは最初から私は対象外だった、としかこの時は考えられませんでした。
その2つなら、今後どんなに努力をしても、絶対に希望が叶うことはないでしょう。
それにこの当て付けとも言える人事。
公募のことも人事カードの中身も知っている、私と後輩が直属する課長が私たちの前に座り、小声で
「これ、ヒドイですね。
ぽりんま主任が公募で希望しているのをわかっていながら落として、同じ係にいて希望していない後輩を入れるって、イヤキチ人事ですよね。
誰が決めたんでしょう」
と呆れたほど。
百二十歩ほど譲って、私は
「ガッカリした」
といって凹めば済む話ですが、後輩は時間の面で完全に無理なので困ってしまいます。
時短の申請は出ているし、旦那さんが超多忙なことは同じ社内なのでわかっているのに、ヒドイです。
とはいえ、よりショックが深いのはもちろん、今度こそと意気込んでいたのに落選した私の方です。
内示が出て二時間位は、私は半分思考停止でぐるぐるし、その後輩にその部署の説明をしながらやさグレていました。
まともに考えるとあまりにも悲しくなってしまうので、
「泣いてもいいかなぁ」
とブツブツ言いながら、庶務係として課内の異動関連業務に取り組むしかありません。
内示が出たのはまだ異動の第一歩で、完全にいなくなる人が判明し、新しい勤務場所が判明し
ただけ。
これから幹部会議で入ってくる人たちをどの課へ配分するか、花いちもんめが数日かけて行われ、その結果承認依頼を本社へ送っては訂正され、最終プランが固まってから本人たちへの通知が行き、
「そこの業務は○○病で無理です」
とかの微調整が入り、ようやく決定してから
「うちの課はこれでよろしく。」
と体制表が正式になります。
これが固まってから異動管理業務は本格スタートになるので、とにかく時間がありません。
異動関連の多数業務と文書管理業務と月報と簿冊作りが一気に押し寄せてくる年度末・年度始めの全体像から細部まで把握しているのは私のみ。
もちろん私を含めて全員が通常業務をしながらなので、部分的にそれぞれを依頼することは出来ても、ベース部分は形にしておかないと困ります。
今年は私も係長も課長もその上も転勤になり、 係員の女性は年度末で退職。
私が抜けるだけでなく、係が本当に分解されたわけです。
同じ企画庶務係の残り二人は残留ですが、庶務業務には基本的にノータッチの別業務なので全体を頼むことはできません。
しかも私の上司係長は企画庶務係を昔にも経験していますが、うちの支店より圧倒的にど田舎で、異動規模が数人のところしかやったことがなく、普段の様子からしても能力オーバーであることは明らか。
異動管理全体は任せられません。
具体的で単純な業務にまで落とし込んだ指示を出して依頼する必要があります。
そんな人だからこそ、私が抜けた後に残しておくとここの業務が回らないので、入れ替えで仕事ができる係長を据える目論見のようです。
企画庶務に残留の二人のうち片方は、先に述べた時短勤務の女性なので、業務開始前の朝や終了後の夕方に人が押し寄せる異動手続きはして貰えないし、何より彼女も兼務発令があるので引継に行ったりしなければならない。
異動発令の日の朝は辞令交付が異動先でであるので、庶務として使える人物が誰もいないという恐ろしいことになります。
幸いなことに今年の異動規模は通常の半分でした。
これなら貸与品のやり取り、鍵や手続き、提出物のやり取りで行列になることもなさそう。
現在、隣の課で働いている若手がこちらの庶務に配置されるという内内示を聞いているので、その子に発令日の作業も頼めるかもしれません。
しかし、その若手も持病があり、しばしば急に休んでいるので確実性は低く、全てを任せられない。
あぁどうしたものか。
残留する課長の一人にお願いして、いつもは外で勤務している課員を誰か頼むしかありませんが、外の勤務の人ではあまりよくわからないだろうし、困ったなという事態です。