お正月の帰省ではあまり長時間滞在できなかったので、寂しかった様子のばぁばと過ごすため、連休で実家に遊びに行きました。
その際、ばぁばと夕飯の段取りについて連絡を取ると
「お兄ちゃんが夜勤で早めにご飯を作らなければならないから私は出られないし、あなた達の分はイオンで何か買ってきて」
と言われました。
その際
「ご飯はいっぱい炊いているから、おかずだけで大丈夫。お刺身とか。
それにほうれん草をいただいたから湯がくし。」
と追加の説明もありました。
そういう訳でイオンモールに行き、旦那とともに割引になった刺身とサラダを購入して帰宅しました。
ちなみに旦那はご飯のお伴にイカフライ、私は頭つきのお刺身用赤海老を購入して、頭でお味噌汁を作る段取りでした。
夕飯の時間になり、子ども達が先にお茶碗にご飯を盛り、旦那に言われて娘が旦那の分のご飯を盛りました。
その際、何やらやり取りがあったようですが、私は聞き取れないまま炊飯器を開けました。
ご飯、少ないな
私の後にばぁばの分も必要ですが、明らかに一人分にしても少ない。
私はあまりご飯に拘りはありませんが、お酒を飲む予定はないし、おかずが刺身ならちょっとご飯抜きなら寂しい。
茶碗に一口だけ盛り、後はばぁばに残します。
「あら足りなかったかしら。後は冷凍ご飯がありますから」
というばぁばの言葉。
…いや、別になくてもいいけどさ
ご飯はたくさん炊いてあるって何回も言っていたよね。
言ってることおかしくない?
それに言わせて貰えれば、ばぁばは私のことを何年か前に
「よその家に嫁に言ったんだから、この家の人間じゃない」
とも言ってたよね。
(結婚するときに「お前は嫁に行ってもこの家の娘なんだから、何かあればいつでも戻ってきなさい」と言われて、私はちょっと感動した過去があります。
「兄貴と差をつけられっぱなしでひどい扱いの数々はあれど、ちゃんと娘だと考えてくれていたんだ!」
と思ったからです。
その数年後に聞いたこの「よその家に…」の言葉を聞いて、あの時感動して損したな~と思いました。
きっとばぁばも感傷で言ったんでしょうね。)
つまりお客さん的な立場のはずですが、「たくさん炊いてある」のは冷凍ご飯だったみたいです。
別に、結局身内なんだから冷凍ご飯でもいいんですよ。
ただ、それなら最初からそう言えばいいんじゃないの?と私は思うわけです。
なおかつ、旦那はばぁばに
「旦那さんのこと、数に入れ忘れていました」
と悪気なく言われたそうです。
いや、旦那こそ概ねお客さんやろ
相変わらず悪気ないけど、爆弾落としまくるばぁばです。
それで私は、ご飯少なかったね、お寿司買えば良かったかなとやんわり言いました。
するとばぁばは
「三合炊いたんだけど、お兄ちゃんにご飯食べさせたでしょ。
お兄ちゃん夜勤だし長い時間だから、いいって言われても何もなしってわけにいかないでしょ?
だからおにぎりつくって持たせたのよ」
と言い訳。
ハイハイ
出ました、ばぁばの兄貴特別枠。
いいんですよ、その行動自体は。
ばぁばにとって、じいじが亡くなった以上、これまで以上に兄貴は大事。
(兄貴は根は優しいし悪いヤツではないが、偏屈で素っ気なく、普段ばぁばともあまり関わりを持たないけどね。)
ばぁばの特別大事なお兄ちゃんのため、炊きたてご飯を茶碗山盛りにして出して、その後おにぎり作って持たせてあげるのは正しいよ。
でもね、三合のご飯はそれでかなりなくなるよね。
育ち盛り2名の孫と働き盛りの夫婦とばぁばの分には、確実に足りないよ。
別に足りなくてもいいんだよ。
事前に言って貰えれば。
刺身の代わりにスーパーでお寿司とかのご飯ものを買ったりするから。
冷凍ご飯でもいいんだよ、最初から言ってくれれば。
そう心づもりしていくから。
たまにしか会えないけど、何かあれば頼りまくる娘より、毎日会っていて頼れない息子が優先でも、それは私の実家では常識だし。
ただ「炊きたてご飯がたっぷりある」言われて、それが冷凍ご飯だったと知ったガッカリする気持ちは、どこへ向かったらいいの?
「ご飯の状態」ということの中に、「相手への気持ちの軽重」が見えて、突きつけられてしまう。
こちらは困ったちゃん達の子育て中で、仕事を休んで、県外から何度も来て、じいじの成年後見人制度の書類を準備したり、相続の手続きをしたり、金融機関への付き添いもしていたけど、それらをやったこともやるせなくなってしまう。
「昔からそうだった」と改めて認識させられる。
それに、相変わらずお兄ちゃん愛だけ暴走しているのは私は慣れっこだけど、数に入っていないとまで言われた旦那が気の毒だとは思わないの?
旦那には昔からばぁばの片寄りっぷりは話してあるし、旦那自身、何度もそんなばぁばの姿を目撃しているにせよ、です。
(旦那の実家でも、お義父さんからのお姉さんへのひいきは多かったそうですが、それを経験していてなお「ばぁば、スゴいな…」と言わせる行動の数々。)
「じいじはお酒飲むときはご飯を食べなかったし、あんたが飲んでいたからいらないって思ったのかもね」
と言い訳めいた慰めを旦那にはしておきましたが、そんなわけはありません。
ばぁばは旦那が白ご飯好きなことは承知しているし、米農家出身なので、いつもは「もっと食べてください」とご飯をこれでもかと勧めて来ます。
単純に計算に入っていなかったのでしょう。
うちの旦那の良いところは、自分の父親から
「ちょっとないわ」
ということが生育過程で色々あったにも関わらず、両親への優しさや思いやりを失っていないところです。
その延長で、私の両親にも思いやりの気持ちを示すことがあり、今回も正月にあまりいられなかったし、ばぁばが寂しいだろうと思って、私の実家への滞在を旦那から提案してくれました。
その思いやりの行動に対してのお返しが「数が入ってなかった」とは、なんたることなんでしょう。
おそらく、かなりクール&ドライな兄や私からの両親への行動より、旦那の方が勝っているのに。
ばぁばのこういう行動は、もうネタにしかならないのですけどね。
ちなみに今、私は仕事を休んで一人で実家に向かっています。
じいじからの不動産相続の書類をいざ提出に行ったら、どこか不備があったようです。
法務局からは申請書のチェックが一ヶ所余分だったことは教えて貰っていますが、それだけなのか、それ以上なのかも教えて貰えないので、相談の予約を取って、その付き添いです。
この申請書のチェックを外したものを兄からプリントアウトして貰うように、ばぁばに伝えてあったのですが、それだけにすら難色を示したばぁば。
(じいじのパソコンには、現在プリンターが接続されていないので、兄のプリンターから出す必要があります。)
「プリントアウトすら頼めないの?」
と私が言ったところ、
「そんなことはないけど…」
と返したばぁば。
独身で、家事は同居のばぁばに全て任せていて、何度か転職している「大事なお兄ちゃん」は、大変忙しいのでプリントも頼みにくいようです。
一方、子育て中で、お堅い仕事を歯をくいしばりながら25年以上継続していて、遠方に住んでいて、差別的に育ててきた娘は、何度も来て貰って厄介な書類仕事を全部平気で頼める。
例えばこれが「あなたの方が賢いでしょ」という評価に基づくものならまだしも、過去に
「妹のクセに大学に行こうとするなんて!」
「女の子なんだから短大で十分」
「なんでそんな学費を払わなきゃいけないの」
と大反対を受けた身としては、そうは思えない。
ばぁばの感覚は、私には理解不能です。